...暗(やみ)を縫うて見え隠れに螢が流れる...
石川啄木 「鳥影」
...暗を縫うて後方に飛ぶ...
石川啄木 「天鵞絨」
...氷柱(つらら)倒(さかしま)に黒髪を縫う...
泉鏡花 「海神別荘」
...または短い冬の午後にわたしはひと組の猟犬が追跡の本能をおさえ切れないというふうに狩りたてる叫びと咆え声が森じゅうを縫うのを聞くことがあった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...その間を縫うようにして二人は歩いた...
田山花袋 「田舎教師」
...樫鳥(かしどり)や山鳩(やまばと)や山鴫(やましぎ)のような鳥類が目にも止まらぬような急速度で錯雑した樹枝の間を縫うて飛んで行くのに...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...きょう子供の贈物(ゲシェンク)にする人形の着物をほとんど一手で縫うたシュエスター何某が...
寺田寅彦 「先生への通信」
...チョッキを仕立て半靴を縫う娘たちまでが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...予診をとる学生の白衣がその間を縫うて動いている...
永井隆 「長崎の鐘」
...宮川の流れが潺湲(せんかん)として河原の中を縫うて行く...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんなものでも縫う覚悟でもしろという謎(なぞ)にも取れた...
夏目漱石 「行人」
...それからお寺と墓所を縫うように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...物蔭を縫うように飛びます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...多くの子を持ちながら其着物の綻(ほころび)を縫うは面倒なり...
福沢諭吉 「新女大学」
...友ちゃんがきっと縫うでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...明日の用意に物を縫うのに夢中になっていたり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その間を道が縫う如く進みます...
柳宗悦 「民藝四十年」
...堤(つつみ)の外などの人に逢(あ)わぬところを縫うている故に...
柳田国男 「山の人生」
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