...」と引いて縋る、柔い細い手を、謹三は思わず、しかと取った...
泉鏡花 「瓜の涙」
...夕陽(ゆふひ)の中に咲いてゐたわが幼時の思ひ出の取縋る術(すべ)もないほどに端然(たんぜん)と……...
伊東静雄 「詩集夏花」
...この気の弱い青年には縋るものが無かったので...
海野十三 「白蛇の死」
...何か縋るものを見出したいそんな心の彷徨(ほうこう)のひとつの現われでもあったに違いないから...
高見順 「如何なる星の下に」
...縋るべき人には他にも澤山にさういふ人達がゐて...
田山花袋 「道綱の母」
...彼女は縋るように微笑みかけてきた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...縋るべきものがなかった――ただ一つ縋っている...
直木三十五 「南国太平記」
...外へ出てしまいましょう」「何も怖がることはないというのに」与兵衛はかえってお玉の縋るのを突き放すように先へ出て...
中里介山 「大菩薩峠」
...藁にも縋る気のお園は...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...――辱(かたじ)けないぞ」内匠は格子に縋るやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鍛冶屋は縋るやうに言つた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...私は真情を吐露するやうに極めて円極に徹頭徹尾照子の同情に縋るやうな熱心な言ひ振りをしたので...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...全速力で追い縋ると...
牧野信一 「ゼーロン」
...藁に縋るやうな自分の眼は執拗にあれに惑かされた...
牧野信一 「冬の風鈴」
...目かくしをして飛び降りても縋るべき木々の枝を間違へる筈はあるまい...
牧野信一 「籔のほとり」
...それは清子に取り縋る感じで...
矢田津世子 「茶粥の記」
...取縋る柔しみは一點見せてもゐない...
吉江喬松 「山岳美觀」
...縋ることすら出來ない...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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