...」大井(おおい)はまた新に註文したウイスキイをひっかけながら、高々と椅子(いす)の上へあぐらをかいて、「年まわりから云や、あんまり素直でもなさそうだが、――まあ、そんな事はどうでも好い、素直だろうが、素直でなかろうが、どうせ女の事だから、退屈な人間にゃ相違なかろう...
芥川龍之介 「路上」
...自分はどうしても誠実な人間にはなり切れなかったから、せめて罪滅しに一生、小説を書いて行きます、とでも言うのなら、まだしも素直だ...
太宰治 「風の便り」
...素直だとも思われた...
太宰治 「八十八夜」
...苦しさだの、高邁(こうまい)だの、純潔だの、素直だの、もうそんなこと聞きたくない...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...此宿の老爺は偏屈者だけれど、井戸水は素直だ、夜中二度も腹いつぱい飲んだ、蒲団短かく、夜は長く、腹いつぱい水飲んで来て寝ると前に書いたこともあつたが...
種田山頭火 「行乞記」
...「あれは兄弟じゅうで一番素直だ...
徳田秋声 「挿話」
...「それも奥さんの気持が素直だからですよ...
徳田秋声 「花が咲く」
...それでも兼子の答えは素直だった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...「……気質(きだて)も素直だし...
豊島与志雄 「操守」
...娘のでつかい島田髷に頬冠りは變ぢやありませんか」「それから有太郎とかいふ植木屋はどうだ」「道話が好きで/\たまらないと言ふ癖に、お歌さんの方ばかり見て居る男で――尤もお歌さんもあの男には氣があるかも知れませんよ」「妬(や)くな/\、男の嫉妬(やきもち)は見つともないぜ」「尤も親孝行は本當で、人間も素直だし、近所の褒め者ですがね」「お前には面白くないことがあるんだらう」平次はこれ以上八五郎から聽き出せさうもないと思つたか、一應の注意だけして歸ることにしました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...和女(おまえ)は実に素直だよ...
村井弦斎 「食道楽」
...相手が昔流に信心深くて3525素直だかどうだかと...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...心がまだ素朴であり素直だったからです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...何事も」返辞は素直だが...
吉川英治 「私本太平記」
...はい」あくまで彼は素直だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼も至って素直だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...しかるに、今夜の相手は、自分の兇悪ぶりに対して、一向に驚かないのみか、自分を目(もく)して、素直だといい、正直者だといい、善人だという...
吉川英治 「親鸞」
...孝行で兄にも素直だったその妹を...
吉川英治 「八寒道中」
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