...父作松と母お安の間の一粒種...
石川啄木 「赤痢」
...時しも、鬱金(うこん)木綿が薄よごれて、しなびた包、おちへ来て一霜(ひとしも)くらった、大角豆(ささげ)のようなのを嬉しそうに開けて、一粒々々、根附だ、玉だ、緒〆(おじめ)だと、むかしから伝われば、道楽でためた秘蔵の小まものを並べて楽しむ処へ――それ、しも手から、しゃっぽで、袴(はかま)で、代書代言伊作氏が縁台の端へ顕(あら)われるのを見ると、そりゃ、そりゃ矢藤さんがおいでになったと、慌(あわただ)しく鬱金木綿を臍(へそ)でかくす……他なし、書画骨董の大方を、野分のごとく、この長男に吹さらわれて、わずかに痩莢(やせざや)の豆ばかりここに残った所以(ゆえん)である...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...ポロポロと大粒な涙がこぼれた...
江戸川乱歩 「影男」
...わずか銀一粒で大長者の万屋ぐゎらりと破産...
太宰治 「新釈諸国噺」
...赤い卵が一粒ずつ放出される...
豊島与志雄 「山上湖」
...それは、小判でなく、小粒らしく、小さい紙包であった...
直木三十五 「寺坂吉右衛門の逃亡」
...俺(お)れ家(うち)の物(もの)一粒(ひとつぶ)でも減(へ)らさねえやうに外(ほか)に行(い)つてりやえゝんだんべが...
長塚節 「土」
...凍結時間は、前にものべたとおり、霧粒の大きさ、気温、風速などによって異るが、衝突間隔の方は、それとはちがう...
中谷宇吉郎 「樹氷の科学」
...これが雲粒や霧粒の芯になるものである...
中谷宇吉郎 「南極・北極・熱帯の雪」
...あと煙草入に小粒が二つこっきりでは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...天界からみたら粟粒(あはつぶ)ほどの人間なンだが...
林芙美子 「浮雲」
...霰粒一つでもヨーロッパの霰の千八百倍はあります...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...」たった一粒、ひやりとした頬(ほっ)ぺたに掌(てのひら)をあてて、澤は後の方の空を振仰いだ...
水上滝太郎 「九月一日」
...その下流には一粒の砂金も見当らない...
夢野久作 「近世快人伝」
...乞食はその一粒をペロリと飲み込んでしまいました……と思うと...
夢野久作 「若返り薬」
...――やがては風を孕(はら)んだ霧とも驟雨(しゅうう)ともつかない真っ白な水粒の怒濤が列を撲(なぐ)ッて吹き通って行く...
吉川英治 「私本太平記」
...よこした将士は粒よりの精兵(せいへい)だろう」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...掌(て)には三粒の棗(なつめ)の核子(たね)を握っていたし...
吉川英治 「新・水滸伝」
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