...アレだけの筆力も造詣もありながら割合に大作に乏しいのは畢竟(ひっきょう)芸術慾が風流心に禍(わざわ)いされたのであろう...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...禍害なるかな、偽善なる学者、外は人に正しく見ゆれども、内は偽善と不法とにて満つるなり...
太宰治 「如是我聞」
...禍を降し妖をなし...
田中貢太郎 「牡丹燈記」
...鴨長明(かものちょうめい)の方丈記を引用するまでもなく地震や風水の災禍の頻繁(ひんぱん)でしかも全く予測し難い国土に住むものにとっては天然の無常は遠い遠い祖先からの遺伝的記憶となって五臓六腑(ごぞうろっぷ)にしみ渡っているからである...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...何故に人間の禍害――戰場あとにしてこゝに來れる? われ恐る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...しかして彼のごとく憤発激昂みずから進んでやまざるゆえんのものは自家頭上に禍福安危の応報あればなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...さすれば一人を高い位置におく事は天下に禍いを生む事になるのではございますまいか...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...禍(わざわい)の全国に波及するに至りては主客ともに免るることを得ず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...左れば帝室は我人民の依て以て此暗黒の禍を免かるゝ所のものなり...
福沢諭吉 「帝室論」
...あなたとあなたの家あなたの民あなたの国のための災禍ともなりましょう...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「髪あかきダフウト」
...その前にこれも震禍を避けて来阪中の伯山が関東震災記を例の濶達な調子で読んだ...
正岡容 「わが寄席青春録」
...しかし極めて小さいことによってにせよ一旦(いったん)生じたものは極めて大きな禍(わざわい)を惹(ひ)き起すことが可能である...
三木清 「人生論ノート」
...そんな恐ろしい禍の門(かど)から...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...親兄弟に災禍を及ぼしてはならぬ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...魏は禍いを転じて...
吉川英治 「三国志」
...また朝幕の間にわだかまる禍根も古い...
吉川英治 「私本太平記」
...――禍(わざわ)いは口からというぞよ...
吉川英治 「新書太閤記」
...街衢(がいく)にて妄りに罪禍を説き...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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