...而して瞬く暇にかんかん虫は総て其の場に馳せ集まって...
有島武郎 「かんかん虫」
...瞬く間、窓の外が明るくなつたと思ふと、汽車は、トある森の中の小さい駅を通過(パツス)した...
石川啄木 「天鵞絨」
...美しい藤野さんの顔が瞬く間暗い翳に掩(おほ)はれるのであつた...
石川啄木 「二筋の血」
...最初は、ただ濃い褐色だった海が、瞬く内に、暗い血のような毒々しい深紅色の海と化して来た...
大阪圭吉 「死の快走船」
...瞬く間にくだんの一風変った馬もろとも...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...日は瞬く間に経(た)って...
近松秋江 「狂乱」
...あわてて、目をこすり、瞬くと、蟻は元のままに一匹、一匹列んで、動いていたりもした...
外村繁 「澪標」
...その鉄索がゴトゴトとして瞬く間に水を艦内に吸い上げてしまったことに仰天して...
中里介山 「大菩薩峠」
...せっかくここまでの経営が、瞬く間に掠奪と、犠牲の壇上に捧げられてしまい、そうしてこの本館も、御殿も、彼等暴民共の一炬(いっきょ)に附されるか、或いは山寨(さんさい)の用に住み荒されることは火を見るように明らかである...
中里介山 「大菩薩峠」
...瞬く間に一枚挽ける又挽ける...
長塚節 「才丸行き」
...それから石も、抱き合った二人も、瞬く間に、あの放水路ん中にまくれ込んじまって、騒ぎになったんでさあ」「二人とも流れちまったんかい...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...一瞬くらっとなったが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...瞬く間に警察でも監獄でも焼打ちして...
牧逸馬 「双面獣」
...ワラタ号は大颶風に捲き込まれて瞬く間にくるりと船底を見せ...
牧逸馬 「沈黙の水平線」
...瞬くうちに近処に拡がって...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...そして瞬く間に、無味無痛に充満した強力な睡魔(ねむけ)の下にわたしを圧しつぶしてしまう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...足を空に揚げて王宮の周囲(まわり)を瞬く間に六七遍ぐるぐるとまわりましたが...
夢野久作 「白髪小僧」
...瞬くうちに、つい、そこまで近づいて来た者を見れば、さっき、紅梅河岸の闇へ、お延を攫(さら)って行った男装の美女...
吉川英治 「剣難女難」
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