...彼はそれにちっと眸を定めた...
豊島与志雄 「愚かな一日」
...眸(ひとみ)を据(す)えると初さんの眉(まゆ)の間に八の字が寄って来た...
夏目漱石 「坑夫」
...細君の眸(ひとみ)がどこに向って注がれているのか能(よ)く分らない位暗かった...
夏目漱石 「道草」
...彼(かれ)の眸(ひとみ)に映(うつ)る丈(だけ)で...
夏目漱石 「門」
...自分の視線で杢助の双眸(そうぼう)を射抜いて微動もさせぬという睨み方であった...
山本周五郎 「似而非物語」
...強くりっぱに生きてまいりましょう」「あね上」郁之助は双眸を火のように輝かせながら云った...
山本周五郎 「日本婦道記」
...炎々(えんえん)たる眸(ひとみ)で...
吉川英治 「黒田如水」
...劉備の身のまわりを改まった眸(ひとみ)でじっと見つめた...
吉川英治 「三国志」
...黙然と考えこんでいる袁術の眸の前へ――伝国の玉璽の入っている小筐をうやうやしくささげて出した...
吉川英治 「三国志」
...すなわち七言八絶を賦(うた)って――銅雀台ハ高ウシテ上天(ジョウテン)ニ接ス眸(メ)ヲ凝(コラ)セバ遍(アマネク)ス旧山川(キュウサンセン)欄干(ランカン)ハ屈曲シテ明月ヲ留メ窓戸(ソウコ)ハ玲瓏(レイロウ)トシテ紫烟(シエン)ヲ圧ス漢祖ノ歌風ハ空シク筑(チク)ヲ撃チ定王ノ戯馬(ギバ)謾(ミダリ)ニ鞭ヲ加ウ主人ノ盛徳ヤ尭舜(ギョウシュン)ニ斉(ヒト)シ願ワクハ昇平万々年ヲ楽シマンと...
吉川英治 「三国志」
...いっぱいな涙を眸に...
吉川英治 「私本太平記」
...――などと彼が不審を感じているうちに、その眸へ向って、つつつと、小きざみに足を早めて、茶碗をささげて来る少年があった...
吉川英治 「新書太閤記」
...一院を建立(こんりゅう)し二世安楽の勤行(ごんぎょう)を成就(じょうじゅ)させ給え」と眸(ひとみ)をあげた...
吉川英治 「親鸞」
...親ごころに、唖(おし)かと案じれば唖のようにも思えるほどきちりと結んでいる唇は、なかなかあかなかったけれど、眸(ひとみ)は、つぶらで、よく澄んで、青空のような白眼のうちに耀(かがや)きをもって、この世への意志を(みひら)きかけている、そして、眠る時は、ふかぶかと、濃い睫毛(まつげ)をふせているのだった...
吉川英治 「親鸞」
...眸(め)から針を放って...
吉川英治 「親鸞」
...連翹(れんぎょう)のまっ黄いろな花が眸に痛い気がする...
吉川英治 「親鸞」
...鷺の眸(ひとみ)にほんのわずかではあるが...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...こう眸を向け合ったのは実に何十日目か...
吉川英治 「宮本武蔵」
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