...皮肉にも、隣りの室に忍び込んで、すべてを探偵したらしく、あったままの事実を並べて、吉弥を面と向っていじめたそうだ...
岩野泡鳴 「耽溺」
...賊は皮肉にも、当の大鳥令嬢問題の依頼人に、この手紙をことづけたのだ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...しかも一方東京市中の子供達の間には、皮肉にも、奇妙な遊戯が流行していた...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...紀州街道に沿つてゐて皮肉にも住吉堺あたりの物持が自動車で往き来するので...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...処が一般に歴史家は皮肉にも...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...そしてこの反ノルム自身が皮肉にもノルムの名を僭称しているのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...この言論を中心とするかのように見えて併し皮肉にも夫とは何の実質的な関係もない処の現在の議会政治的デモクラシー(「立憲主義」)なのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...皮肉にも解釈していたのです...
夏目漱石 「こころ」
...皮肉にも今まで雲に隠れていた乙女(ユンクフラウ)も坊主(メンヒ)も顔を出した...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...皮肉にもとれるやうな事を云つたりする...
林芙美子 「浮雲」
...皮肉にも調子がすっかりよくなって...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...皮肉にも前述の如くつんぼで盲目で...
牧逸馬 「運命のSOS」
...いつでもこの詩が愛誦されたときだった社会主義リアリズムをはな/″\しく引っさげて打って出た時は皮肉にも彼が実にリアルに沈滞した時だっただが彼の沈滞は一九〇五年のベードヌイ以上ではないさすらい人めいた述懐がちらつこうと常に中国人民に詩と情熱をそそいでいる森山でなければならぬ...
槇村浩 「人民詩人への戯詩」
...当時皮肉にもベスト・テンに入ったため...
柳宗悦 「沖縄の思い出」
...但看ル花ノ開落 言ハズ人ノ是非皮肉にも...
吉川英治 「折々の記」
...皮肉にも東南風(たつみ)すらだんだんに凪(な)いでいた...
吉川英治 「三国志」
...――そして皮肉にも...
吉川英治 「私本太平記」
...祝着にぞんずる」信長は、彼の世辞に、苦笑を禁じ得なかったが、皮肉にも、「いや、御威徳によって、後事に憂いもなく、一途(いちず)に戦えましたために」と、いった...
吉川英治 「新書太閤記」
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