...体中の筋骨(すじぼね)が妙にむず痒(がゆ)くなったくらい...
芥川龍之介 「邪宗門」
...雪中の諸状混錯を走墨に失して通暁し難きもの靴中の瘡痒これを何如せん...
京山人百樹、京水百鶴 「北越雪譜」
...尻がむず痒くなるのである...
谷崎潤一郎 「客ぎらい」
...手の届かぬ背(せなか)の痒(かゆ)いところを揺(ゆす)りながら訊いた...
徳田秋声 「足迹」
...解るだけに、歯痒いのだ...
豊島与志雄 「失われた半身」
...変にむず痒いような心地で云いかけた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...私は身体ぢゆうのふきでものを痒がつて夜も昼もおちおち眠らないもので糠袋へ小豆を包んで母と伯母とがかはるがはる瘡蓋(かさぶた)のうへをたたいてくれると小鼻をひこつかせてさも気もちよささうにしたといふ...
中勘助 「銀の匙」
...睡けがさしてくればあれもこれも癪にさはるので痒(かゆ)い眼玉をこすりこすりむづかつてると...
中勘助 「銀の匙」
...歯痒(はがゆ)くってたまらない」その時...
中里介山 「大菩薩峠」
...イラ痒い瞼、ひえびえとする野面の風にひえびえとしたみすぼらしい顔の中から、この遠近(をちこち)を嘆賞するもないもんだなぞ、云つては呉れるな人々よ、自然の与件は、何時でも生理のまゝに享受してゐる者でこそあれ、希望を持つて生きてゐるとも云へるので、其の他はすべて、謂はば野心で生きてゐるのだ...
中原中也 「その一週間」
...時々隔靴掻痒の感を伴なうことがあって...
中谷宇吉郎 「救われた稀本」
...平次は齒痒(はがゆ)くなるばかりです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...親分」八五郎はそれをひどく齒痒がりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いきなり痒いところを尚(なお)痒くえぐるような毒々しさをもっていた...
室生犀星 「幻影の都市」
...かれらもうす痒い雜草のしとねに就いてゐたとしか思はれなかつた...
室生犀星 「めたん子傳」
...目が少しむづ痒(がゆ)くなつた...
森鴎外 「魔睡」
...ごしんぞの云うとおりだよ」「そんないやみは痛くも痒(かゆ)くもねえ」と云って房二郎はひょいと眼をあげた...
山本周五郎 「へちまの木」
...別段に痛い処も痒(かゆ)い処もないが……併し眼と口の中が砂ホコリで一パイになっているらしく...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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