...その胸の内なる痍(きず)は早くも愈(い)えて跡なきに至りしものなるべし...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...左の眉の上に生々しい痍(きず)があつて一筋の血が頬から耳の下に傳つて...
石川啄木 「二筋の血」
...毛を吹いて痍(きず)を求むる...
巌谷小波 「こがね丸」
...痍(きず)に悩める胸もどき...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...おまへの唇には痍(きず)がある...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...お信さんにわかれた後の恋の傷痍を医してゐたのであつた...
田山花袋 「丘の上の家」
...心の傷痍(きず)をも救つて呉れた男に対する感謝の色がはつきりと上つて来てゐた...
田山録弥 「波の音」
...鮮血のにじむ隙(すき)もない深い痍(きず)であった...
徳田秋声 「仮装人物」
...自由黨は此れが爲めに一大傷痍を受けたると共に...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...自由党は此れが為めに一大傷痍を受けたると共に...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...衣服の方の満身の創痍(そうい)は...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼(かれ)は只管(ひたすら)肘(ひぢ)の瘡痍(きず)の實際(じつさい)よりも幾倍(いくばい)遙(はるか)に重(おも)く他人(ひと)には見(み)せたい一種(しゆ)の解(わか)らぬ心持(こゝろもち)を有(も)つて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)は彼(かれ)の輕微(けいび)な瘡痍(きず)を假令(たとひ)表面(へうめん)だけでも好(い)いから思(おも)ひ切(き)つて重(おも)く見(み)てさうして彼(かれ)に同情(どうじやう)の言葉(ことば)を惜(をし)まないものを求(もと)めたが...
長塚節 「土」
...手先(てさき)の火傷(やけど)は横頬(よこほゝ)のやうな疼痛(いたみ)も瘡痍(きず)もなかつたが醫者(いしや)は其處(そこ)にもざつと繃帶(ほうたい)をした...
長塚節 「土」
...松葉杖をついた傷痍軍人...
久生十蘭 「黄泉から」
...文字通り満身創痍だ...
北條民雄 「重病室日誌」
...橘は矢痍(やきず)のあとに清い懐紙(かいし)をあてがい...
室生犀星 「姫たちばな」
...自身も満身に創痍(そうい)をあび...
吉川英治 「新書太閤記」
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