...彼女の猜疑は、こんな予想外な形でいったん燃え上がったが、そのあとで再び鎮静に帰した...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...春琴女が後年の烈(はげ)しい気象を見ればあるいはそういう事実が性格に影響(えいきょう)を及ぼしたのかとも猜(さい)せられなくはないがこの事に限らず検校の説には春琴女の不幸を歎(なげ)くあまり知らず識(し)らず他人を傷つけ呪(のろ)うような傾(かたむ)きがありにわかにことごとくを信ずる訳に行かない乳母の一件なども恐らくは揣摩臆測(しまおくそく)に過ぎないであろう...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...猜忌(さいき)、嫉妬、疑惑、さういふものが常に全身を圧した...
田山録弥 「心理の縦断と横断」
...自己の猜忌、嫉妬、疑惑から発足して他人の中に猜忌、嫉妬、疑惑を見出したのである...
田山録弥 「心理の縦断と横断」
...猜疑(さいぎ)心の深い預金者らは金の返還を求めてきた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...路傍に坐して悲しむ事なく猜(そね)むことなく...
中野秀人 「第四階級の文学」
...無意味な猜疑の眼を向けたり...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...例の避け難い猜疑心から...
久生十蘭 「湖畔」
...卑怯なる悪人のやうに猜疑の眼などをしばたゝきながら...
牧野信一 「剥製」
...残忍酷薄の人たらずんば必ず猜疑褊狭(さいぎへんきょう)の人たるべきなり...
正岡子規 「病牀譫語」
...ある猜疑の念を起させずにはおかなかった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...猜疑心(さいぎしん)から...
三木清 「人生論ノート」
...猜(そね)みも忘れて……学術のために……人類のために……」「……………」「……これも矢張(やは)り菩提心(ぼだいしん)と云えば云えるであろう...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...この猜疑(さいぎ)が...
吉川英治 「大岡越前」
...無用な猜疑(さいぎ)をなすは...
吉川英治 「三国志」
...また以前蜀臣だった関係から猜疑(さいぎ)の眼で見られるので...
吉川英治 「三国志」
...もっと楽に救われたろうが――城中で荒木村重からたびたび聞かされたことばによると――信長公にはこの官兵衛をいたく猜疑(さいぎ)しておられるとか...
吉川英治 「新書太閤記」
...そうした白眼と猜疑(さいぎ)には...
吉川英治 「新書太閤記」
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