...独りで何でも考へられるやうになれば――つまり一人前になれば誰でもすることです...
伊藤野枝 「従妹に」
...十八日、戊戌、相州広元朝臣を招請して仰せられて云ふ、将軍家大将に任ずる事、内々思食し立つと云々、右大将家は、官位の事宣下の毎度、之を固辞し給ふ、是佳運を後胤に及ばしめ給はんが為なり、而るに今御年齢未だ成立に満たず、壮年にして御昇進、太だ以て早速なり、御家人等亦京都に候せずして、面々に顕要の官班に補任すること、頗る過分と謂ひつ可きか、尤も歎息する所なり、下官愚昧短慮を以て、縦ひ傾け申すと雖も、還つて其責を蒙る可し、貴殿盍ぞ之を申されざる哉と云々、広元朝臣答申して云ふ、日来此の事を思ひて、丹府を悩ますと雖も、右大将家の御時は、事に於て下問有り、当時は其儀無きの間、独り腸を断つて、微言を出すに及ばす、今密談に預ること、尤も以て大幸たり、凡そ本文の訓する所、臣は己を量りて職を受くと云々、今先君の遺跡を継ぎ給ふ計なり、当代に於ては、指せる勲功無し、而るに啻に諸国を管領し給ふのみに匪ず、中納言中将に昇り給ふ、摂関の御息子に非ずば、凡人に於ては、此儀有る可からず、争か嬰害積殃の両篇を遁れ給はんか、早く御使として、愚存の趣を申し試む可しと云々...
太宰治 「右大臣実朝」
...(なかば独り言のように)やはり病気のせいかも知れない――このごろ...
林不忘 「安重根」
...┌存在生命│生存└生活生死去来行│遊行乞│苦行句│難行作│易行独り遊ぶいつしよにあそぶ六月三日霽れてゆく空や野や...
種田山頭火 「其中日記」
...私は深夜、独りで、どんなにか涕泣し且つ絶叫したことでしょう...
豊島与志雄 「化生のもの」
...されば守るにその人なき家の内何となく物淋しく先生独り令息俊郎(としお)和郎(かずお)の両君と静に小鳥を飼ひて娯(たのし)みとせられしさまいかにも文学者らしく見えて一際(ひときわ)われをして景仰(けいこう)の念を深からしめしなり...
永井荷風 「書かでもの記」
...僕のやうに独りで暮して来た青年といふものは稀であらうが...
中原中也 「引越し」
...長途の汽車の独り旅も決して退屈なことはなく...
平田禿木 「趣味としての読書」
...いつも独り法師で...
牧野信一 「大音寺君!」
...時々カクシの薬を引き出しては独り呑んで見るけれど...
正岡子規 「病」
...独り予は医者で、しかも軍医である...
森鴎外 「鴎外漁史とは誰ぞ」
...独り永(なが)の暇(いとま)を願って...
森鴎外 「渋江抽斎」
...とか独りで喋り立てては独りで感心したりした...
矢田津世子 「父」
...独り船窓に倚って...
吉川英治 「三国志」
...奥方はそれから独り二階へ来て...
吉川英治 「新・水滸伝」
...独りで決めこんで...
吉川英治 「宮本武蔵」
...何か独り天下みたいないい気になっていたような気がする...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...ある日母は独りで此(この)女のところへ行つて来たかへりがけに...
若松賤子 「黄金機会」
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