...その訳をおっしゃい!」倭文子は死にもの狂いの顔を上げて...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...僕の死にもの狂いの恋を受入れる情(なさけ)はないのか」諸戸は失望の余り...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...可愛い娘のこんな死態(しにざま)を見たならきっと気狂いにでもなっちまうよ……」そう言って助役は...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...田島は気が狂いそう...
太宰治 「グッド・バイ」
...ブレインさんが気狂いのように...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...僕は淋しくて狂い出しそうです...
豊田三郎 「リラの手紙」
...手には印籠鞘(いんろうざや)の長い刀を携(たずさ)えて、「番頭どけ――」竜之助の前へ然(どっか)と坐って、「初めて御意(ぎょい)得申す」「何か用事でござるか」「さきほどから再三、宿の人を以て申し入れる通り、我々はごらんの通りの多勢じゃ、お見受け申せば貴殿はお一人、どうかこの席を多勢の我々に譲っていただきたい」「その儀ならばお断わり申す」「ナニ、断わる?」印籠鞘の武士は眼に角(かど)を立てて、「女中や番頭どものかけ合いとは事変り、武士が頼みの一言じゃ、気をつけて挨拶を致せ」竜之助は武士の方には取合わないで、番頭の方を見て、「番頭殿、この気狂いを、あっちへ連れて行ってくれ」印籠鞘は激昂(げっこう)して、「気狂いとは何だ……気狂いとは聞捨てならん」「まあまあ、そこのところをひとつ――どうかそういうわけでございますから旦那様、多勢(たぜい)に無勢(ぶぜい)でどうもはや、どうかお引移りを願いたいもので……」番頭はてんてこまいをはじめる...
中里介山 「大菩薩峠」
...すべてが深夜にただならぬ物音を立てて死物狂いの吾輩の魂をさえ寒からしめた...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...死に物狂いで逃げたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...気狂いにならなければ此の苦しみから逃れられないのです...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...と部屋じゅうを狂いまわる...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...片々(きれぎれ)の思想が頭の中で狂い廻(まわ)る中でも...
二葉亭四迷 「平凡」
...リビの細き革紐のつけるあの銛(もり)に刺されてよりいよいよあれ狂い...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...人の心の狂いを治癒(なお)す...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...狂い藻掻(もが)いて生命(いのち)を終る...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ますます狂いを廻転させることになるのではないかと由良は思うと...
横光利一 「馬車」
...轟然(ごうぜん)たる炎の音響が地鳴りをして天地に狂いました...
吉川英治 「江戸三国志」
...よく世上でいう日夜の宴飲(えんいん)、闘犬狂い、田楽陶酔といったような遊戯三昧の行状も、この人としては、べつだん世の賢者にたてついたり、身の宿命に反逆しているわけではない...
吉川英治 「私本太平記」
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