...ある舟では物静かな酒盛が行われ...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...あの大きい田舎町めいた、道幅の広い、物静かな、木立の多い、洋風擬(まが)ひの家屋(うち)の離れ/″\に列んだ――そして甚(どんな)大きい建物も見涯(みはて)のつかぬ大空に圧しつけられてゐる様な、石狩平原の中央(ただなか)の都の光景(ありさま)は、やゝもすると私の目に浮んで来て、優しい伯母かなんぞの様に心を牽引(ひきつ)ける...
石川啄木 「札幌」
...道子がかえって物静かに...
泉鏡花 「婦系図」
...遠くの方で物静かな蛙(かえる)の鳴き声さえ聞えていたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...わざとらしくなく物静かなことであった...
近松秋江 「黒髪」
...私もやっぱり女の起居(たちい)振舞などのしっとりして物静かなところが不思議に気に入っているのであった...
近松秋江 「霜凍る宵」
...美智子も佐代子も物静かに振舞って...
豊島与志雄 「潮風」
...皆、草と、苔とが、物静かに、清らかに、黙っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...それが物静かに鳴り出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...秋の更(ふ)くるに任すがごとく邸内は物静かである...
夏目漱石 「野分」
...古い北京の或る物静かなホテルで...
堀辰雄 「楡の家」
...この人の好い単純な老人には私はそんな瞬間にもふだんの物静かな奥様にしか見えていなかったろう...
堀辰雄 「楡の家」
...「藩王はとても物静かでいらっしゃいます...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...物静かな態度からすぐ医者と分かった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...大二郎の眼にでも触れたらまた飛んだ噂を吹聴するだらうと気にはしたものゝ物静かに広々とした風景の中を越えて来た影響であらうか...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...物静かに秀吉のまえに置いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...泰勝院へ碑前を去って、私たちが自動車へ戻りかけると、その前から私たちの後ろに佇(たたず)んでいた三名の慇懃(いんぎん)な老紳士と袴(はかま)を着けた青年が側へ寄って来て、「龍田山の泰勝院(たいしょういん)へお廻りになりませんか」と、物静かに訊く...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...私は先刻この野にかかってからずっと続いて来ている物静かな沈んだ心の何とはなしに波だつのを覚えながら...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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