「物凄い」の意味
非常にすごい
小説での「物凄い」の使い方
...なにしろ物凄い土砂降りの最中で...
海野十三 「雷」
...ガラガラと物凄い音をたてて壊(こわ)れた...
海野十三 「恐怖の口笛」
...河村は見るも物凄い形相(ぎょうそう)となり...
海野十三 「地球盗難」
...とたんに飛行機が墜落するときのような物凄い音響がしたかと思うと...
海野十三 「蠅」
...「ゲッ」という様な何ともかとも形容の出来ない、物凄い悲鳴が、再び絹枝の口をほとばしった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...えたいの知れぬ物凄い物体だった...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...物凄いところを演じる訳でしょうね...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...物凄いわ」これもいい心持で...
中里介山 「大菩薩峠」
...ゼッテルベルグの別莊の物凄い殺戮は何等かの祕密な筋道で百萬長者フオン・シイドウ男爵へ繋がつてゐたのだ...
南部修太郎 「死の接吻」
...物凄いほど鮮(あざ)やかな手際です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物凄い大年増が居ましたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いやはや物凄いのなんのといつたら!……ところがその時...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...「馬鹿野郎!」――「意久地なし!」――「女蕩し!」などゝ続けざまに物凄い挑戦の言葉を叫んだ...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...死顔のような物凄い相好にしてしまう...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...神様離れした物凄いインチキ競争の世界にまで進化して来ているようである...
夢野久作 「恐ろしい東京」
...むろん、そこいらの壁には、私が今朝ほど想像したような凄惨な、血のにじんだ痕跡を一つも発見する事が出来なかったが、それにしても、あれ程の物凄い、息苦しい声を立てて泣き狂った人間とは、どうしても思えないその眠りようの平和さ、無邪気さ……その細長い三日月眉、長い濃い睫毛(まつげ)、品のいい高い鼻、ほんのりと紅をさした頬、クローバ型に小さく締まった唇、可愛い恰好に透きとおった二重顎(ふたえあご)まで、さながらに、こうした作り付けの人形ではあるまいかと思われるくらい清らかな寝姿であった...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その秘密休憩室というのは、平生劇場用の小道具等を蔵(しま)っておく五階屋根裏の大きな倉庫の片隅を、ボロボロになった金屏風や、川岸の書割なぞで二間四方ばかりに仕切って、これも小道具の塵埃塗(ほこりまみ)れの長椅子と、歪(いびつ)になった籐椅子(とういす)を並べて、楽屋用の新しい座布団を敷いただけのもので、リノリウムの床とスレスレの半円窓の近くにカラカラに乾いた枯水仙の鉢が置いてあるのが、薄暗い裸電球の下で、そうした書割や金屏風と向い合って、奇妙に物凄い、荒れ果てた気分を描きあらわしていて、今にも巨大な一つ目小僧の首か何かが……ウワア……とそこいらから転がり出しそうな感じがする...
夢野久作 「二重心臓」
...水木と洵吉とは、蛇が蛙を呑み込む瞬間を、大写しにして喜んだり、或る時は「絞首台の死刑囚」と題する写真を撮る為に、洵吉が芝居染みた扮装をして、陰惨なバックの前で、天井から吊るされた縄に、首を絞(くく)ってぶら下り――莫迦気たことには、光線の加減で、シャッターを長くした為、も少しで洵吉は本当に死んでしまうところだった――けれどその代り、この写真を焼付けて見ると、正(まさ)に死に墜ちる瞬間の、物凄い形相が、画面からぞわぞわと滲出(にじみで)て、思わずゾッとしたものが、背筋を駛(はし)るほどの出来栄えだった...
蘭郁二郎 「魔像」
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