...嫉妬と憤怒(ふんぬ)と屈辱(くつじょく)との煮え返っている坩堝(るつぼ)であった...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...・もう明けさうな窓あけて青葉・蛙がうたうてゐる朝酒がある肉が煮えるにほひの...
種田山頭火 「行乞記」
...おれにもわかる! 正真正銘の女だ! 煮えきらない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...つみびとの歌阿部六郎にわが生は、下手な植木師らにあまりに夙(はや)く、手を入れられた悲しさよ!由来わが血の大方は頭にのぼり、煮え返り、滾(たぎ)り泡だつ...
中原中也 「山羊の歌」
...――鍋はぐらぐらと煮える...
夏目漱石 「虞美人草」
...煮え切らずに前進する事は容易であった...
夏目漱石 「それから」
...新聞は毎日煮えくり返るように書き立てましたが...
野村胡堂 「踊る美人像」
...なにしろ伊勢直は煮えくり返るような騒ぎ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...己れッ」郷太郎は煮えこぼれそうに腹を立てましたが...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...「はよ煮え、はよ煮え、大きな眼玉、眼玉が二つ、はよ煮えはよ煮え...
林芙美子 「クララ」
...犬でもこんな馬鹿な生き方はしないよ! おー! 私の頭が! 頭が煮える!」「だけどパパ」二人の若い女が叫んだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...ふつふつと煮えるように湧き起こってきた...
平林初之輔 「秘密」
...みんながみんな判で押したように煮え切らない返事をするばかりだった...
正岡容 「小説 圓朝」
...やがて煮えきらぬ調子でおうむがえしにいった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...さうかと思ふと、煮え切らないで、いつまでも遊ぶとも遊ばないとも、どつちつかずに愚圖々々と窓ぐちにこびりついて、女の顏ばかりまじまじと眺めてゐる男などを非常にいやがつた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...汁の煮えるのを待つてゐました...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...それを御馳走しますから――もう間もなく煮えるころでしょう...
横光利一 「夜の靴」
...煮えきらない炬燵思案(こたつじあん)の顔いろを見ると...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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