...余り夫人の無雑作なのに...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...この点から見ると、私は少年時代の目を、純一無雑な、極(ご)く軟らかなものであると思う...
泉鏡花 「幼い頃の記憶」
...そして、彼はまるで冶金家(やきんか)が、坩堝(るつぼ)の金糞(かなくそ)の中から何かの金属でも探し出す様に、無雑作に、死人の歯を探し出して、別の小さな容器に入れていた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...学生達が無雑作に帽子を脱いでそこらにおつぽり出してゐるのを見ると...
薄田泣菫 「茶話」
...無雑作に継ぎ合せたもので...
薄田泣菫 「利休と遠州」
...茶入の割れ目を繕つたその無雑作加減が...
薄田泣菫 「利休と遠州」
...このやうに無雑作に...
太宰治 「右大臣実朝」
...無雑作に庭に投げ捨て...
太宰治 「風の便り」
...無雑作に大阪弁で云った...
谷崎潤一郎 「細雪」
...大尉のほうが少佐に対して無雑作な言語使いでしきりに話しかけていた...
寺田寅彦 「写生紀行」
...往々無雑作に、あれは観念論だ、これは観念論的だと云い勝ちだが、そしてその言葉には或る一定の隠れた体系的な含蓄があるのであって、この含蓄の一部を洗い出すのが今のこの仕事の一部分になるのだが、併しそう批評された当の人間達には、この言葉は必ずしも痛くピンと来るとは限らない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...この結論が別なものを余りに「無雑作」に同じと考えたかのように云うかも知れない...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...長い髪が額に二三筋垂れ下るのを無雑作にかき上げる癖と...
豊島与志雄 「運命のままに」
...そうしておくれ」「そうしてやらあ」米友は無雑作(むぞうさ)に帯を解いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...無雑作(むぞうさ)にその室に通されて...
中里介山 「大菩薩峠」
...無雑作に開いて差し出される...
中谷宇吉郎 「続先生を囲る話」
...「金田って人を知ってるか」と主人は無雑作(むぞうさ)に迷亭に聞く...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...しかもそれが練達洗練された三昧に入っている所作である限り……その心境がその仕事に対して純一無雑である限り……そこに能楽の型と同じ真実味の横溢した「人間美」が後光を放っているではないか...
夢野久作 「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」
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