...こんどは蟹の脚をかりりと噛んで中の白い肉を指で無心にほじくり出し...
太宰治 「右大臣実朝」
...無心に私にたずねます...
太宰治 「おさん」
...ただ無心にお洗濯をたのしんでいるのだ...
太宰治 「作家の手帖」
...「ねむれた?」無心にたずねるKの眼は...
太宰治 「秋風記」
...無心にきょろきょろしている...
太宰治 「正義と微笑」
...乙彦が無心に爪で千切(ちぎ)りとった痕(あと)まで...
太宰治 「火の鳥」
...やがてその、熱いところを我慢して飲み、かねて習い覚えて置いた伝法(でんぽう)の語彙(ごい)を、廻らぬ舌に鞭打(むちう)って余すところなく展開し、何を言っていやがるんでえ、と言い終った時に、おでんやの姉さんが明るい笑顔で、兄さん東北でしょう、と無心に言った...
太宰治 「服装に就いて」
...嬰児は無心に手の中でぐびぐびと動いていた...
田中貢太郎 「鍛冶の母」
...切れの長い眼は全く無心に見開かれてるだけで...
豊島与志雄 「広場のベンチ」
...無心に見ておれば...
豊島与志雄 「文学以前」
...無心に遊びながらやってくる...
新美南吉 「川」
...笛吹は無心に吹きつづけてゐた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...無心に罪人を指してしまったのでございました...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...無心にハンドルをあやつっている...
久生十蘭 「あなたも私も」
...能ふ限り、意識して――その意識がワザとらしければワザとらしい程爽快なのです――見るからに行儀悪く四肢を延して、口に一杯満した煙りを戯れ気に、が無心に、細く細く口笛を吹くやうに突らせた脣から噴き出すと、それが殆ど天井迄蔦の如くに匍ひ昇る、――...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...彼らの無心において...
柳宗悦 「工藝の道」
...当惑して一宿の御無心に参ったのでござりますが……」「まあ...
吉川英治 「江戸三国志」
...子供たちが無心に遊んでゐる...
吉川英治 「折々の記」
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