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石川啄木 「一握の砂」
...母(おっか)さんがなくなったからね……」火桶(ひおけ)の面(おもて)を背(そむ)けると...
泉鏡花 「霰ふる」
...蔽(おい)のかかった火桶を引寄せ...
泉鏡花 「絵本の春」
...殿上に桐火桶(きりびおけ)を撫(ぶ)し簾(すだれ)を隔てて世俗に対したのでは俳人芭蕉は大成されなかったに相違ない...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...火桶の銅壺でぬるく温めた銀瓶の酒を...
豊島与志雄 「三つの嘘」
...勿論(もちろん)俳味を専(もっぱら)とする処から大きな屏風(びょうぶ)や大名道具には札(ふだ)を入れなかったが金燈籠(きんどうろう)、膳椀(ぜんわん)、火桶(ひおけ)、手洗鉢(ちょうずばち)、敷瓦(しきがわら)、更紗(さらさ)、広東縞(かんとんじま)の古片(こぎれ)なぞ凡(すべ)て妾宅の器具装飾になりそうなものは価を問わずどしどし引取った...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...木枯(こがらし)さけぶ夜(よ)すがら手摺(てず)れし火桶(ひおけ)かこみて影もおぼろなる燈火(とうか)の下(もと)に煮る茶の味(あじわい)は紅楼(こうろう)の緑酒(りょくしゅ)にのみ酔ふものの知らざる所なり...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...わが友江戸庵(えどあん)が句に冬来るやまたなつかしき古火桶これ聊(いささ)かも巧(たく)む所なくして然もその意を尽したる名吟(めいぎん)ならずや...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...分りゃしない」道也先生は火桶(ひおけ)のなかの炭団(たどん)を火箸(ひばし)の先で突(つっ)つきながら「御前から見れば馬鹿馬鹿しいのさ」と云った...
夏目漱石 「野分」
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松本たかし 「松本たかし句集」
...「おお、坐りてえか? 坐んなせえ、大丈夫かな」浪路を、畳に下ろして、のぞき込んで、「さあ出かけよう――歩けねえなら、おれがしょって行ってやる――どこへ行きてえのか? ここにいちゃあ、ためにならねえ――」「あの方のところへ――雪どののところへ――山ノ宿――」と、かすかに浪路が、いったがまだ、気が乱れていると見えて、フラフラと立ち上って、「あれ、放しゃ! 汚らわしい!」「仕方がねえな――」と、法印、困(こう)じ果ててつぶやいて、「兎(と)に角(かく)、その山ノ宿へ送ってやろう」暗刃一ここは、浅草山ノ宿、雪之丞が宿の一間、冬の夜を、火桶をかこんで、美しい女がたと、ひそひそと物語っているのは、堅気一方、職人にしても、じみすぎる位の扮装(なり)をした象牙彫師(ぞうげほりし)の闇太郎――「どッち道、いよいよ、枝葉の方は、おのずと枯れて来たわけだね」と、闇太郎が、いっている...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...不揃(ふぞろ)いな絵の道具、いじけたような安物の木机、角の欠けた茶箪笥(ちゃだんす)、火桶(ひおけ)、炭取り――家具といえるのはそれで全部だ...
山本周五郎 「おれの女房」
...しのは火桶(ひおけ)から離れた位置に坐っていた...
山本周五郎 「はたし状」
...火桶(ひおけ)をずらせて...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...炭火のたっぷり熾(おこ)った火桶...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...おまえのことは雁屋(かりや)に頼んでやる」「涌谷さまにどんな御思案があったとお思いですか」「わからない」甲斐は片手を伸ばして空の火桶を撫(な)で...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ふちの欠けた火桶(ひおけ)に...
山本周五郎 「柳橋物語」
...こんど幾つ」「四つになるのよ」おもんは火桶(ひおけ)の上へ半身をのしかけ...
山本周五郎 「柳橋物語」
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