...波瀾に富んだ生涯の結末を神に仕へて暮さうと云ふ沙門だと思ふかもしれない...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...之に加ふるに学力を以てし、之に参するに見聞を以てせば、自然に意趣は古に近くして、波瀾老成ならん...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...野口君の北海道時代の唯一の波瀾(やま)であり...
石川啄木 「悲しき思出」
...第三巻で起る波瀾はこの巻において完全に準備される...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...それに就いて思い起すことは、永徳ももとより結構に相違ないが――伊達家(だてけ)には、まだ一つ、天下に掛替えのない筆蹟があるはずじゃ、それを御承知か」「伊達家のことでござるから、それは天下に掛替えのない宝が一つや二つではござるまいが――刀剣であろう、茶器であろう、これらは拙者に於てあまり渇望もいたさぬし、また渇望いたしたからとて、拙者のような乞食画かきに、わざわざ宝蔵を開いて見せる物好きな三太夫もござるまいとあきらめています」「それもそうだ、観瀾亭の襖絵は、相当の紹介があれば誰にも見せてくれるだろうが――もう一つのは――これは到底及びもつかないことだろう、その点はあきらめるのが賢明ではあるが、学問のために、伊達家には、しかじかのものがあるということを覚えて置くのは無益でもござるまい」「左様――(そうとう)として他の宝を数えるのは知恵のない骨頂ですが、いったい、あなたがこの際、ぜひ覚えて置けとおっしゃる伊達家の至宝とは何物ですか」「それはなあ、もちろん伊達家のことだから、天下無二の宝が数知れず宝蔵の中に唸(うな)っているには相違ないが――貴殿御執心の永徳よりも、それこそ真に天下一品として、王羲之(おうぎし)の孝経がござるはずじゃ」「王羲之の孝経――」これを聞いて白雲が一時(いっとき)、眼をまるくして栄翁の面(かお)を見つめましたが、押返して、「それは、いささか割引がかんじんじゃ、大諸侯の物とて、一から十まで盲信するわけにはゆかん...
中里介山 「大菩薩峠」
...なり損(そく)ねた波瀾(はらん)はようやく収まった...
夏目漱石 「明暗」
...それほどの波瀾と艱難に耐えられるものだろうか...
久生十蘭 「新西遊記」
...これまでの波瀾はほんの序曲に過ぎない...
久生十蘭 「魔都」
...波瀾の端緒は、こんなふうに、なにげないところからはじまった...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...何んとならばこの嘉永四年は『気海観瀾広義』全十五巻(後刷りの本は五篇を五冊に合巻)の中...
牧野富太郎 「植物記」
...それからが波瀾重畳...
牧野富太郎 「植物記」
...ただ杜甫の経歴の変化多く波瀾(はらん)多きに反して...
正岡子規 「曙覧の歌」
...桃割娘から初まる生涯の波瀾の裡を...
宮本百合子 「「愛怨峡」における映画的表現の問題」
...芸術家のめぐり会う波瀾というものも...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...人間の伝記のような波瀾と智慧くらべとに充ちています...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...米国式国民外交の特徴を遺憾なく発揮した波瀾万丈を極めたものでありました...
夢野久作 「暗黒公使」
...ある一ト波瀾が起き...
吉川英治 「私本太平記」
...天下の相貌はまだまだ決して一旦(いったん)の狂瀾(きょうらん)からもとの平静に帰ったわけではないのみか...
吉川英治 「新書太閤記」
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