...うしろへさげ髪にした濃い艶(つや)のある房(ふっさ)りした...
泉鏡花 「瓜の涙」
...上野は青葉が日に日に濃い色を見せて来ていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...北天の一隅に埋伏(まいふく)し居た彼濃い紺色(インジゴーいろ)の雲が...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...濃い眉根から広い額へかけて...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...筑波山は見る/\濃い紫に染まつて來た...
長塚節 「寫生斷片」
...濃い回想を抱くことにもなるのであらうから...
中原中也 「夏」
...続(つ)ぎ目(め)が確(しか)と見えぬくらい靄(もや)が濃い...
夏目漱石 「草枕」
...濃(こ)い眉(まゆ)とそれから濃い眸子(ひとみ)...
夏目漱石 「行人」
...絶望の色が濃い蔭を翳(つく)ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...短くて濃い黒い髪の毛をごりごりかいた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...何日も何日も濃い霧につつまれていた山々や遠くの雑木林が突然...
堀辰雄 「楡の家」
...急いで闇の濃い方へ消え去ろうとした...
松永延造 「職工と微笑」
...人の目をひく色濃い夏の果(くだもの)は大方場退(ばひ)けになつて...
眞山青果 「茗荷畠」
...ふと庭面(にわも)を見ると樹陰から濃い煙が這っては薄れてゆく...
吉川英治 「新書太閤記」
...けれど、密雲はまだ濃い...
吉川英治 「新書太閤記」
...削り取られているところへ――この飛報である――さらに濃い敗色を加えたことは蔽(おお)いようもなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...ご縁の濃いお血すじではありませぬか)(それが...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...汽車で駈け通ってさえ濃い天理教の雰囲気が感ぜられる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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