...また画そのものも、ただ濁った水と、湿った土と、そうしてその土に繁茂(はんも)する草木(そうもく)とを描(か)いただけだから、恐らく尋常の見物からは、文字通り一顧さえも受けなかった事であろう...
芥川龍之介 「沼地」
...水が濁ったように見えるとかいう方がむしろ強くって...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...途端に税関吏の太い濁った声が...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...水は黄色く濁った全くの泥水で...
谷崎潤一郎 「細雪」
...濁った東京の空気に還(かえ)された瞬間...
徳田秋声 「爛」
...濁ったようなやつだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...黒く濁った掘割の水を見た...
豊島与志雄 「少年の死」
...心のうちには重く濁った雰囲気が澱んでいた...
豊島与志雄 「生あらば」
...同じ濁った水が交流しているし...
豊島与志雄 「蛸の如きもの」
...人間の音声には黄色いのも濁ったのも澄んだのも太いのも色々あって...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...これは幾分か僕の腹の底に濁ったまま沈んでいる父の記憶を清めたいための弁護とも思われる...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...「僕は泥水のやうに濁った腐敗分子でした...
原民喜 「奇蹟」
...濁った流れは青い海水のなかに...
本庄陸男 「石狩川」
...なかば乾いてにぶい濁った色を見せている...
水野葉舟 「黄昏」
...ライスカレーの拵え方を玉江に教えてやって下さいませんか」お登和嬢「ライスカレーには英吉利風(いぎりすふう)の澄んだのと印度風(いんどふう)の濁ったのとその外(ほか)色々の拵え方があります...
村井弦斎 「食道楽」
...濁った光に照っているのが不思議だなあ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...ただ入口の方から濁った赤色の火が見えているばかりである...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...眸子(ひとみ)の濁った眼をみひらき...
山本周五郎 「菊千代抄」
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