...泥炭地(でいたんち)のわき水のような色でどぶどぶと漂っている...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...砂金(しやきん)の波の光を漂はせて...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...一同は此の室に何だか唯(ただ)ならぬ妖気(ようき)が漂(ただよ)っているような気がした...
海野十三 「赤外線男」
...炭塵や油の夥しく漂った海面には...
大阪圭吉 「動かぬ鯨群」
...玉ねぎを揚げるにおいが漂って来た...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...何処の浦辺からともなく波に漂うて打上がった木片板片の過去の歴史は波の彼方に葬られて...
寺田寅彦 「嵐」
...斉明天皇の御代に二艘の船に分乗して出掛けた一行が暴風に遭って一艘は南海の島に漂着して島人にひどい目に遭わされたとあり...
寺田寅彦 「颱風雑俎」
...漁舟江心に向かいてこぎ出せば欸乃(あいだい)風に漂うて白砂の上に黒き鳥の群れ居るなどは『十六夜日記(いざよいにっき)』そのままなり...
寺田寅彦 「東上記」
...単に彷徨し漂うのみである...
豊島与志雄 「生活について」
...期待の最後の局面を示す沈黙と騒擾(そうじょう)との中間の気が漂っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...さる冬のこと子供の脳より聾乎(ぼつ)として漂つたことがあつたつけが!怒濤を繞((めぐ))らす半島と雖((いへど))もその時程の動乱を蒙(う)けたためしはないのであつた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...重たい風が漂々と吹く度に...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...こうして漂い流れて居りました...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...出窓のタイル花壇からモクセイソウやヘリオトロープのかぐわしい匂いが漂って来る...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...「開拓の主旨に沿わん」と云った武家たちの意気だけが煙のように漂っていたにすぎない...
本庄陸男 「石狩川」
...11740(漂ひ来る花を払ひ/\...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...診察着の背後(うしろ)の巨大な建物の上を流れ漂う銀河が...
夢野久作 「怪夢」
...昼間でも漂っていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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