「滴る」の意味
液体がしたたり落ちる
小説での「滴る」の使い方
...鶴は松露を翻して衣裳に滴る...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...つぐみの腹から脂肪が滴る...
石川欣一 「可愛い山」
...かえって露の滴るごとく...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...S巻の濡色が滴るばかり...
泉鏡花 「婦系図」
...これに目も放さないで、手を伸ばして薬瓶を取ると、伸過ぎた身の発奮(はず)みに、蹌踉(よろ)けて、片膝を支(つ)いたなり、口を開けて、垂々(たらたら)と濺(そそ)ぐと――水薬の色が光って、守宮の頭を擡(もた)げて睨(にら)むがごとき目をかけて、滴るや否や、くるくると風車のごとく烈しく廻るのが、見る見る朱を流したように真赤(まっか)になって、ぶるぶると足を縮めるのを、早瀬は瞳を据えて屹(きっ)と視た...
泉鏡花 「婦系図」
...いつも青葉若葉の滴るやうな黄檗の空が思ひ出される...
薄田泣菫 「茶話」
...矛の末より滴る塩積りて淤能碁呂(オノコロ)島となりしとの記事あり...
高木敏雄 「比較神話学」
...特に今は新緑の季で山や森の緑がそれぞれの色を競つて所謂滴るやうである...
戸川秋骨 「道學先生の旅」
...屋根にたまって滴る露の雫だった...
豊島与志雄 「初秋海浜記」
...晩間寒雨瀟瀟として落葉に滴る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...水の滴るように穏かな声でといかけました...
中里介山 「大菩薩峠」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...お千代ひとりが着たかのやうに――よく思へば、八百屋の嫁御風情が、ふだん着にぞべらとしてゐたかどうかさへわからないのだが、お千代の、色の白い、ぽつてりとした、滴るやうな、女盛りの體に、紅の襟うらの透いた紺かたびらは、ほのぐらい店の隅の青物と、行燈の光りとに和して、なまめかしい匂ひがただよつてくる...
長谷川時雨 「夏の女」
...水の滴る音もしてゐる...
林芙美子 「多摩川」
...はてしない大空の滴るような紺青のなかに溶け...
山川方夫 「昼の花火」
...山は滴るやうな榛の若葉に満ち...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...日の光を含んで滴る樣に輝いてゐる眞上の紅葉を仰ぎ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...同じ様に伸び古りた幹や枝を白々とした瀬の真上にさし横たえて滴る様に咲いているものもある...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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