...靴底を浪になめられつつ溜息ついて歩いた...
太宰治 「津軽」
...今宮は溜息をつきながら「それで母も妹と二人きりで...
田澤稲舟 「五大堂」
...檜山はまた溜息をつきました...
豊島与志雄 「高尾ざんげ」
...そこへ運わるくひとりの先生がきていきなり私の帯をつかまへ やつ と掛声をして宙にさしあげたもので朝から眼の奥にいつぱい溜つてた涙が一時にあふれだして両足をぶらぶらさせながらわつと泣きだした...
中勘助 「銀の匙」
...「あーあっ」先生は深い溜息をつき...
永井隆 「長崎の鐘」
...池に一旦水を溜めて温めるとかいう風なことは...
中谷宇吉郎 「農業物理学夜話」
...行けば必ずあの「味噌(みそ)溜(たまり)」と大きな板の看板のさがっている門をくぐった...
新美南吉 「最後の胡弓弾き」
...痣の熊吉が盜み溜めた金だらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こいつは内々溜飲(りゅういん)を下げて居る奴が多いぜ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...よく田舎にある、野つ原の真ん中に、灌木だの歯朶だのに、穴の縁を茂らせて、底には石や土が、埋めかけて匙を投げてある、あの古井戸の底になら、埃が溜つたつて、別に面白くも可笑しくもない...
葉山嘉樹 「井戸の底に埃の溜つた話」
...溜池署に留置されることになったが...
久生十蘭 「魔都」
...安兵衛十八番斬りなどに常に溜飲三斗の立廻りを演じた...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...口へ入れると軽くっていくつ召上ってもお腹(なか)へ溜まりません...
村井弦斎 「食道楽」
...げにわが文章もかくいのちがけならんにはこころ栄えんものをなどて溜息しつつわれの眺むる...
室生犀星 「忘春詩集」
...……何という難解な……不思議な事件であろう……と心の奥底で溜息をおののかせながら……...
夢野久作 「暗黒公使」
...ただ彼の変を待つための足溜りに過ぎない...
吉川英治 「上杉謙信」
...住宅地と鮒もいなくなった水溜りと――といったような生活図の変化に富む中を...
吉川英治 「随筆 新平家」
...毎日三十分ずつ早く起きたら溜らないから十分位ずつ早くおきて...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
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