...溌溂たる描写は不可能である...
芥川龍之介 「上海游記」
...現在に於ける完備せる資本制度の大勢力は実に数千年の永い歴史的根拠を有し教育習慣等人間生活の凡ての方面に大なる力を以て浸蝕して居るのであるし共産的の精神と教養は遺憾ながら誠に小作人の間には薄く却て都会に於けるよりも資本主義的精神は地方農村に於て溌溂たるの事実に徴する時私は狩太農場の前途を略(ほゞ)推測する事が出来るものと思ふ...
有島武郎 「狩太農場の解放」
...若き溌溂(はつらつ)たる脳細胞に植継(うえつ)ぎて...
海野十三 「大脳手術」
...溌溂たる動作に眼を奪われるというのは...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...溌溂(はつらつ)と春さきの気品を見せていた...
徳永直 「麦の芽」
...尚ほ且つ生氣溌溂たる政治家たるを失はざるに比すれば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...大きな眼玉が溌溂と動いていた...
豊島与志雄 「子を奪う」
...小川のように清澄溌溂(はつらつ)として...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あまりに溌溂たる宇宙の刺激に堪えなくなつた頭(あたま)を...
夏目漱石 「それから」
...ありし日の溌溂たる活躍振りが想像できよう...
正岡容 「大正東京錦絵」
...溌溂さで「魅せられたる魂」のアンネットやシルヴィにまで伸び育ってゆく過程は実に心をひかれる...
宮本百合子 「彼女たち・そしてわたしたち」
...工場学校は百二十万人の溌溂たる勤労青年に...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
...新しい溌溂たる生産能率増進のために...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...私の方は父ゆずりで溌溂(はつらつ)としているがしんが脆(もろ)い(生理的に)...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...精神が微妙に溌溂に動いて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...呼吸がちゃんとしないと迚も溌溂とゆかないものであることが生理的にわかって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...現在、地上の到る処……汽車、汽船の行き尽すきわみ、自動車、飛行機の飛びつくす隈々(くまぐま)に儼然(げんぜん)とコビリ付き、冷え固まっている社交上の因襲、科学に対する迷信、外国の模倣、死んだ道徳観念……なぞいう現代社会の所謂(いわゆる)常識なるものに飽き果(はて)て、変化溌溂、奔放自在なる生命の真実性そのものの表現を渇望する心……すなわち溢るるばかりの好奇心に輝く眼(まなこ)を以て、吾輩の畢生(ひっせい)の研究事業たる「心理遺伝」の実験を見られると、立所(たちどころ)にこれを理解された...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...鮪(まぐろ)と鯛(たい)と鰹が海の色に輝きながら溌溂(はつらつ)と上って来た...
横光利一 「花園の思想」
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