...且つ湿(しめ)やかに見えたので...
泉鏡花 「婦系図」
...朝の湿気が散るのを待つてゐるのでした...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...恐らく湿度計は乾湿(かんしつ)ハイグロメーターの湿球のような状態におかれ、水銀は急に熱を奪われて萎縮(いしゅく)したことでしょうし、湿度計の方は、その傍に居る人の衣服がポッポッと湯気(ゆげ)を出して乾燥中であるために殆んど飽和状態に近い湿度を記録したのでありましょう...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...なんだかそこいらが湿っぽく濡(ぬ)れている...
相馬泰三 「六月」
...・肌に湿布がぴつたりと生きてゐる五月草からとんぼがつるみとんぼで五月...
種田山頭火 「其中日記」
...室(へや)の中は湿(しっ)とりとしている...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...充分湿気を含ませておいてこれを急激に膨張させると...
寺田寅彦 「塵埃と光」
...云い知れぬ家庭的感激が諸君の眼を湿ませなかったであろうか...
豊島与志雄 「バラック居住者への言葉」
...お婆さんは湿つた押入れをあけて...
林芙美子 「絵本」
...お通夜はどないしょう」と湿った眼で克巳を見あげた...
久生十蘭 「ノア」
...毒菌類の中にニギリタケを列して「形状一ナラズ好ンデ陰湿ノ地ニ生ズ其ノ色淡紅茎白色ナリ若(モ)シ人コレヲ手ニテ握トキハ則チ痩セ縮ム放ツトキハ忽(タチマ)チ勃起ス老スルトキハ蓋甚ダ長大ナリ」と書き...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...湿雪に濡れた手袋...
松濤明 「春の遠山入り」
...すなわち湿潤で不健康なただ一つの教区だけで見られる平均寿命でさえ...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...ふと泣き湿(ぬ)れた顔を拭いて...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...湿(しめ)つぽいはなづらをずうつと延(の)ばして...
宮澤賢治 「鹿踊りのはじまり」
...それらはみな沼か湿地で...
山本周五郎 「青べか物語」
...ところがです」泰三は舌に湿りをくれ...
山本周五郎 「思い違い物語」
...ソクラテスの死は前者のごとく湿やかでないとともにまた後者のごとく陰惨でもない...
和辻哲郎 「孔子」
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