...ある家の軒下(のきした)に佇(たたず)んだ甚平(じんべい)一つの老人などは渋団扇(しぶうちわ)を額(ひたい)へかざしたまま...
芥川龍之介 「文章」
...お花は渋々例の写真を持って来る...
江戸川乱歩 「接吻」
...肝腎の満谷氏が渋(しぶ)くり出した...
薄田泣菫 「茶話」
...アクの強い、渋味の烈しい、有機物無機物の嫌いなく、混淆し乱合した泥状の物質が、眼にもとまらぬほどの恐ろしい速度で、谷いっぱい、引っ擦るように疾駆している...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...真事は戸田だの渋谷だの坂口だのと...
夏目漱石 「明暗」
...渋谷駅前の自働電話から...
野村胡堂 「流行作家の死」
...渋い顔で、ずらりと眺めまわした原田は、かたわらの机にいる大川時次郎に、「全部で、どのくらい票が出ましたとな?」と、訊(き)いた...
火野葦平 「花と龍」
...返事もせずに渋々と寝所の中に進んだ...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...多く習ひて得たる様にはあらでただ無造作に書きなせるものから大字も小字も一様にして渋滞の処を見ず...
正岡子規 「墨汁一滴」
...十月のなかばまで難渋(なんじゅう)した...
水上滝太郎 「果樹」
...あたしがそれは渋柿だから...
水上滝太郎 「果樹」
...」「ほんとに渋くなかったら...
水上滝太郎 「果樹」
...「渋江さんはなぜあんなに黙つてお出なさるのでせう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...下沢保躬(しもさわやすみ)をして渋江氏について抽斎の行状を徴(め)さしめた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...いかに難渋しているかを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この柿はあるいは渋柿のよく熟したのを...
柳田國男 「食料名彙」
...第一級の渋い顔であった...
山本周五郎 「山彦乙女」
...五十文か百文のビタ銭を争っている渋沢だから...
吉川英治 「松のや露八」
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