...更に人をして其別離の情に殉ぜしむる所以の對象が殉死者の私情我慾と相渉る事少ければ少ない程殉死者の愛情は少くとも一層珍貴となり...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...近代的天才には精神的事業の諸方面に渉る者次第に多きを加へて來たとは云ふものゝ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...管野すが子の名が社會主義仲間に知れ渉ると共に...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...言葉が残酷に渉るか知れませんが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...二二 予として冬川を渉るがごとく...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...約一ヶ年に渉る動物試験の結果...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...前日の十三日には十二時間にも渉る交渉をやったのだが...
戸坂潤 「社会時評」
...これは一種の專門に渉る事柄であつて...
内藤湖南 「支那の書目に就いて」
...なお着京以来聞き噛った時事の問題に渉る詩などを見せたり互に次韻をしあったりして...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...冷たい水流を徒(か)ち渉る...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...觀察上にも渉る者から...
西周 「尚白箚記」
...京洛に滯在し久しきに渉る者は...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...馬車笛吹嶺を渉る...
正岡子規 「かけはしの記」
...流れを渉る度に路は屈曲している...
柳田国男 「雪国の春」
...若し「世を渉る」てふ詞を以て物質的の世に渉ることなりせば吾人の文章は事業なりと言ひしは誤謬なるべし...
山路愛山 「明治文学史」
...エモルソンの言へる如く大著述家は短き伝記を有することを知らば(彼の世と渉るは書中に活きたる彼の精神に在り)...
山路愛山 「明治文学史」
...風に吹かれ雲に包まれてこの絶頂無人の境を渉るのである...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...幅広い音調に渉る吹鳴が聞こえた――「テケリ・リ! テケリ・リ!」 我々は誤っていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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