...倉地も涼しげな単衣(ひとえ)に絽(ろ)の羽織(はおり)を羽織ったままだった...
有島武郎 「或る女」
...時が夕景のものであるから成るべく涼しげな感じを起させることに努めました...
上村松園 「螢」
...むろん兇行の時刻と一致するんですがね……ところが「つぼ半」の女将、あとで新聞の写真を見て、容疑者がそのぶつかった男とバカによく似てるってんでテッキリ怪しいと睨んだんだそうですが、やがてそれが警察の耳にはいり今度召喚を受けると進んで出て来て首実検をしたと云うんですが、入廷して被告の顔を見ると、涼しげな声で、「ハイ、確かにこの方でございます」とやらかしたんだそうですよ...
大阪圭吉 「あやつり裁判」
...涼しげな緑の梢が一緒に風に揺れ動いているのが見え...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...涼しげな夏料理というものが想像される...
高浜虚子 「俳句への道」
...涼しげな画中の景となって現れて来る...
高浜虚子 「別府温泉」
...ある者は涼しげな眸(ひとみ)に羞恥(しゅうち)を含んで...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...襟(えり)のところに涼しげな白いレイスのついた愛らしい服装が...
徳田秋声 「仮装人物」
...涼しげな水が噴き出していたり...
徳田秋声 「爛」
...このわたりの杉山ことごとくしたぐさ刈りそけて見るに涼しげなり睦岡の五百杉山はしたぐさの利鎌にふりて見るにさやけし五日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...僕の眼は涼しげなひとの眼にそそいだ...
原民喜 「鎮魂歌」
...いかにも涼しげな緑の木蔭があつた...
堀辰雄 「牧歌」
...羽毛状の涼しげなシダと...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...筧(かけひ)からは涼しげな垂水(たるみ)が落ちてゐる……硝子戸越しに見える店主らしいのが照明燈の下で静かに黙々と印章を彫つてゐる……それが私なのである...
宮地嘉六 「老残」
...そしてその木々の間から家の四囲をめぐつている広い涼しげなヴェランダがちらほら見えていた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...涼しげな所に床几をおかせ...
吉川英治 「私本太平記」
...涼しげな楊柳(ようりゅう)の木蔭に...
吉川英治 「新・水滸伝」
...搦(から)めておしまい!」一丈青の涼しげな声だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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