...さうして三年の間雲の如く變幻浮動する心の姿を眺め暮した...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...わたしの生活も浮動するのでした...
石川三四郎 「浪」
...黒地に渦巻く水流と浮動する落花とたなびく雲のたたずまいをあしらい...
犬田卯 「錦紗」
...彼の瞼の中でチラチラ浮動するのを認めた...
海野十三 「深夜の市長」
...忽然(こつぜん)として空中に浮動するを発見せり...
海野十三 「大宇宙遠征隊」
...蓋しインテリゲンチャは「自由に浮動する中間物」であるから...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...もはや遠心的に浮動するのでもなく...
戸坂潤 「思想としての文学」
...そういう浮動する文芸的表象...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...最も卑しい欲望らの浮動するさまざまの顔面の線の上に...
富永太郎 「断片」
...晴天の青空に浮動する雲につきては一度(ひとたび)も北寿の如くに留意する所なかりき(北斎の絵本『富嶽百景』三巻中には雲を描きしもの尠(すくな)からず殊に初巻快晴の不二の図は鱗雲(うろこぐも)に似たるものを描きて甚(はなはだ)よし然れどもこの絵本は晩年の作にして年代よりいへば北寿の後なるべし)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...水の中の海月(くらげ)のように浮動する...
中里介山 「大菩薩峠」
...たちまち柔か味をおびて浮動する...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...それがいかにも目の前に浮動するやうな文章は恐らくあるまい...
夏目漱石 「「自然を寫す文章」」
...浮動する清香の間に月を帯びて仮寐するのはこの上も無く雅懐を養う事になるであろうと私は私かに羨望し...
牧野富太郎 「植物記」
...あるいはもっといい加減に男女の間に浮動する感情を...
宮本百合子 「異性の間の友情」
...それを割り出したり温めたりするものが一切の春に浮動するやうに...
室生犀星 「愛の詩集」
...浮動する音響から...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...この浮動する病院内は陰慘であつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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