...二本の短剣は空中に切りむすび、いなずまのようにギラギラときらめき、男体、女体ともに、額にも、ほおにも、肩にも、腕にも、乳ぶさにも、腹にも、背にも、腰にも、しりにも、ももにも、全身のあらゆる個所に無数の赤い筋がつき、そこから流れ出すあざやかな血潮が、舞踊につれて、あるいは斜めに、あるいは横に、あるいは縦に、流れ流れて、美しい網目を作り、ふたりの全身をおおいつくしてしまった...
江戸川乱歩 「影男」
...流れ流れて美しい網目をつくり...
江戸川乱歩 「影男」
...流れ流れて両国川に入つて来たのだといふ事だ...
薄田泣菫 「茶話」
...Alles Oder Nichtsイブセンの劇より発し少しずつヨオロッパ人の口(くち)の端(は)に上りしこの言葉が、流れ流れて、今では、新聞当選のたよりげなき長編小説の中にまで、易々(やすやす)とはいりこんでいたのを、ちらと見て、私自身、嘲弄(ちょうろう)されたと思いこみむっとなった...
太宰治 「もの思う葦」
...流れ流れて終にここから遠くないある町に落著いて傘屋をはじめた...
中勘助 「銀の匙」
...アゴというものかけて入歯も叶わぬ身となればさんだらぼっちや西瓜の皮と共に溝川の夕を流れ流れて行衛(ゆくえ)を知らず...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...下水の落合つて川となつた流れは道に沿ひ坂の麓を廻(めぐ)り流れ流れて行く中(うち)に段々広くなつて...
永井荷風 「水 附渡船」
...「金助……」「へえ、金助でございます、殿様、どうもお珍らしいところで、エヘヘヘヘヘ」「貴様もこっちに来ているのか」「へえ、流れ流れて、またお江戸の埃(ごみ)になりました、殿様には相変らず御全盛で結構でいらっしゃいます」「いいところで会った、貴様もこの店に馴染(なじみ)があるのか」「どう致しまして、ここは私共の入るところではございません、こんなところへ入りますと罰(ばち)が当るそうでございます、私共には私共で、身分相当な気の置けないところがあるんでございますけれど、生憎(あいにく)どうも」「よし、好きなところで遊んで来い、そうして暇を見てここへ話しに来るがよい」主膳は紙に包んで幾干(いくらか)の金をやりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...舟だけが浮び流れ流れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...卒都婆は流れ流れて人の拾うものもなし...
中里介山 「大菩薩峠」
...流れ流れて毎日毎日...
中里介山 「大菩薩峠」
...のみならずいよいよ唯物的に流れ流れて...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...流れ流れてありにけり...
中原中也 「在りし日の歌」
...流れ流れて江戸へ参り...
野村胡堂 「禁断の死針」
...流れ流れて二人は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...流れ流れて奥州街道を...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...みじめな彷徨(さまよ)いを続けた後(のち)流れ流れて...
吉川英治 「江戸三国志」
...かたのごとく流れ流れてきたすえ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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