...馬車の窓より洩るる燈光に...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...葉を洩るゝ光の戲れをじツと視凝めてゐると...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...雨は笊から水の洩るように降りしきるので...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...窓洩る光ほの暗く粉曳臼(こなひきうす)の上に落ち...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...ほととぎす大竹藪を洩る月夜また一度は風景画家広重と連立ち...
薄田泣菫 「独楽園」
...結燈臺の灯が微かに隙間洩る夜風に瞬いてゐるばかりだつた...
田山花袋 「道綱の母」
...その例に洩るることができませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...其聲必ず松の木に在るをもて人は松に居る毛虫の鳴くなりといふうらゝかに楢の若葉もおひ交る松の林に松蝉の鳴く青芒しげれるうへに若葉洩る日のほがらかに松蝉の鳴く莢豆(さやまめ)の花さくみちの静けきに松蝉遠く松の木に鳴く松蝉の松の木ぬれにとよもして袷ぬぐべき日も近づきぬ二十三日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...高き窓洩る夕日を脊に負う...
夏目漱石 「幻影の盾」
...裾を洩るる赤い襦袢...
野村胡堂 「礫心中」
...破目を洩る風が冷く焚火の上をかすめた...
牧野信一 「山峡の凧」
...木の間洩る月の光りに...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...折から又もや雲の間を洩る月の光りに自分の姿がありありと鏡の中へ映りました...
夢野久作 「白髪小僧」
...木の間洩る月光の下に...
吉川英治 「三国志」
...朗(ろう)として洩るるお唇(くち)ずさみをきいて...
吉川英治 「私本太平記」
...木枯らしの洩るように響いてくる...
吉川英治 「宮本武蔵」
...雲間を洩るる星の瞬きが二ツ三ツ...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...遠く来つ友もはるけく出でて来て此処に相逢ひぬ笑みて言(こと)なく無事なりき我にも事の無かりきと相逢ひて言ふその喜びを酒のみの我等がいのち露霜の消(け)やすきものを逢はでをられぬ湖(うみ)べりの宿屋の二階寒けれや見るみずうみの寒きごとくに隙間洩る木枯の風寒くして酒の匂ひぞ部屋に揺れたつ十一月二日...
若山牧水 「木枯紀行」
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