...桃太郎はこういう重(かさ)ね重(がさ)ねの不幸に嘆息(たんそく)を洩(も)らさずにはいられなかった...
芥川龍之介 「桃太郎」
...大秘密を洩(も)らして居られる...
海野十三 「戦時旅行鞄」
...まことに惜しいことだ」正造は溜息のようにその一言を洩らして...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...自分の如き数ならぬ者にそう云う秘密が洩らされたことはなかったけれども...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...ことりという音もせねば話し声も洩(も)れぬ...
近松秋江 「霜凍る宵」
...」叔父はこの女に時々そんな心持も洩らした...
徳田秋声 「足迹」
...怒(いかり)を小羊の上に洩(も)らすと同じ事だ...
夏目漱石 「行人」
...夕日がカーテンのすきまから宝石のように洩(も)れこぼれている...
平林初之輔 「予審調書」
...すると廊下を隔てた向うの酒場の中から酒氣を帶びてゐるらしい若い男女の低聲で流行歌などをうたつてゐるのが洩れてきた...
堀辰雄 「エトランジェ」
...空とぼけ方が中々巧みになつたと秘かに苦笑を洩した...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...これを洩らすのは通例ぶしつけで有害なことと見做されていることである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...酔い声が少しでもここから洩れて来ると...
横光利一 「夜の靴」
...」と矢代の母が良人に不平を洩した失敗のときも...
横光利一 「旅愁」
...塩野にそっと自分のその結婚の愉しさを洩らしたところを想像してみて...
横光利一 「旅愁」
...ときどきぴくぴくと眉を跳ねてはまた冷笑を洩して黙っていたが...
横光利一 「旅愁」
...松並木の葉洩(はも)れ陽(び)が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...傲慢者(ごうまんもの)と思うたが、案外、情誼(じょうぎ)もあり、礼儀も正しい」と、洩らした...
吉川英治 「宮本武蔵」
...鋭い侮りの笑い声がドリアンの唇から洩れた...
渡辺温 「絵姿」
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