...沾(し)めつた靴(くつ)や外套(ぐわいたう)のひが急に身にしみる時分だつた...
芥川龍之介 「鬼ごつこ」
...気味悪くじっとり沾(しめ)っていた...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...大旗空しく飜つて哀涙袂を沾す...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...ちょいと喉(のど)を沾(うるお)すと...
芥川龍之介 「西郷隆盛」
...二口三口喉(のど)を沾(うるお)した...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...柔かな細(こまか)い雨が常に私の旅の衣を沾(うるほ)して居た...
田山録弥 「春雨にぬれた旅」
...『扁桃(アメンド)のような恰好をした沾(うるお)いのある眼...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...陽春二三月 楊柳斉作レ花春風一夜入二閨闥一楊花飄蕩落二南家一含レ情出レ戸脚無レ力 拾二得楊花一涙沾レ臆秋去春来双燕子 願銜二楊花一入裏一灯の下に横坐りになりながら...
林芙美子 「新版 放浪記」
...それを見たら私の心も少しは沾ふことだらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...清澄な沾(うる)みを持つてゐた...
牧野信一 「熱い風」
...*榎の梢に霰のやうに飛んでゐた玉虫! あそこでは光りに沾れた青葉の上に...
牧野信一 「冬日抄」
...僕の胸を不断に沾すフイス(光)とフエス(愛)の爽々しい羽ばたきを感ずるからなのだ...
牧野信一 「変装綺譚」
...次に享保十九年(1734)刊行の菊岡沾涼(きくおかせんりょう)の『本朝世事談綺(ほんちょうせじだんき)』巻之二には万年草(まんねんそう)...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...道ゆく人々にわずかにそれを沾ってはいたのだった...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
......
正岡子規 「俳人蕪村」
...もろ/\の草木を沾(うるほ)すに足りなむ...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...売物の渋紙包(しぶがみづつ)みおろし置き里圃(りほ)けふの暑さはそよりともせぬ馬(ばけん)砂をはふいばらの中のぎすの声沾圃(せんぽ)別れを人が云(い)ひ出せばなく 里こたつの火いけて勝手をしづまらせ一石(いっこく)ふみしからうすの米 沾というのがある...
柳田国男 「木綿以前の事」
...半宵臨別涙沾巾...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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