...さうすれば基督教なんぞは滅びて仕舞へるのに」と云ふ樣な冷刻な考へが深い淵の中に石が沈んで行く樣に彼れの感情の最下底(どんぞこ)に落ちて來る...
有島武郎 「半日」
...初めは微酔気味(ほろよいぎみ)であったのが段々真剣になって低い沈んだ調子でポツリポツリと話すのが淋しい秋の寂寞(せきばく)に浸(し)み入るような気がして...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...面杖(つらづゑ)つきて沈めるを...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...人形は永久に沈黙の衣を纒う...
竹内勝太郎 「人形芝居に関するノオト」
...その音で長い一夜の沈黙が破られる...
寺田寅彦 「音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」」
...その場の沈黙は救われたが...
豊島与志雄 「別れの辞」
...いま呼びかけた声は低くて沈んで病人のような声です...
中里介山 「大菩薩峠」
...男爵の沈默の蔭には果して何が潜んでゐるのか?土曜と日曜の終日ストックホルム警察廳は犯人の捕縛に必死となつたが...
南部修太郎 「死の接吻」
...帯留は沈香の花鏡の透彫りというのは...
久生十蘭 「姦(かしまし)」
...なんともつかぬ愁いに沈んだ...
久生十蘭 「ノア」
...日は沈み月は昇るがそれは空の事...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...「これこそまさしく化物屋敷だ」と胸を沈めながら思った...
北條民雄 「いのちの初夜」
...Enfance finie今日の命の囁くは何れの方か恋しきと夢は静かに漕ぎ下るあやなき春のさくらばな君が心は木の間より流れて見ゆる野の景色空は凋みて知りがたきものの行衛にうつろひぬそれとし見れば人の住む草より月の上りたり貴き声よわが手よりはつかに蝶を舞はしめよこれや潮満つ野の川のかなしき星を沈めつつ風吹くと知り眠りしが夢はしづかに漕ぎ下るあやなき春の菜の香り...
三好達治 「測量船拾遺」
...土間の一部が沈下して...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...なにがお気懸りなのですか」光辰は沈黙した...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...以前の沈默に引きかへて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...尾口沈まば、前輪(まえわ)にすがれ、水あし急に塞(ふさ)がれなば、馬の三頭(さんず)に乗下がり、鞍つぼ去って水を通せ」重忠が声を疲らせてしまうと、義経がまた云った...
吉川英治 「源頼朝」
...一瞬間深い沈黙と静止が起こる...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
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