...現在の社会制度を無視して残りなく根こそぎにする事が出来るであらうかと云ふ事になれば...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...その年二百二十日の夕から降出した雨は残りなく萩(はぎ)の花を洗流(あらいなが)しその枝を地に伏せたが高く延びた紫苑(しおん)をも頭の重い鶏頭(けいとう)をも倒しはしなかった...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...今までの過去という過去が残りなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...戸は残りなく鎖(とざ)されている...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...父は残りなく○○が学校を出てから以後の経歴を話して聞かせた後...
夏目漱石 「行人」
...当夜の景況を残りなく話したらそれはいい材料だ僕の著書中に入れさせてくれろと云った...
夏目漱石 「琴のそら音」
...なんでもぼくに見えるところだけを残りなく描いてゆく...
夏目漱石 「三四郎」
...残りなく自己を放擲(ほうてき)した...
夏目漱石 「それから」
...残りなく書尽(かきつく)されてもいる...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...残りなく寸断に為(な)し終りて...
樋口一葉 「軒もる月」
...再び鶴子を背負ってこの部屋へ戻って来たまでの経過を残りなく申し立てると...
久生十蘭 「魔都」
...名残りなく引きあげて来たところであつた...
牧野信一 「出発」
...真珠湾に突入した九人の青年が軍神としてたたえられたたたえたのは、私たちだった、国民だったあの頃の新聞や雑誌を出して見なさい電車が九段を通る時には、すべての人が頭を下げたことを思い出して見なさい宮城前を過ぎる時にはすべての人が頭を垂れて戦勝を祈ったことを思い出して見るがいい私たちもそうだった私もそうだった――罰せよ、罰せよ、残りなく、私たちを...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...遠慮容赦なく我々を全身残りなく見る...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...何もかも残りなく番頭に委せてしまうわけにはゆかない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...柔らかくくびれたりするのを残りなく見ることができた...
山本周五郎 「追いついた夢」
...残りなく回復されました暁には...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...彼女らの姿を残りなく捉(とら)えることができる...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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