...公は欣び、賞として領邑(りょうゆう)を与えることにしたが、筮師は公の前を退くと直ぐに倉皇(そうこう)として国外に逃れた...
中島敦 「盈虚」
...その鴉から黙黙として滅んだ先祖の運命を徳とする理由を素直に発見出来たことに欣びを感じた...
横光利一 「旅愁」
...日本左衛門の六感は禁じえぬ欣びにくすぐられました...
吉川英治 「江戸三国志」
...先生は驚き且(か)つ欣びましたが...
吉川英治 「江戸三国志」
...たった一つのお欣びがごぜえます――委細はこれをご覧なせえまし」と伝吉は携(たずさ)えて来た一通を差し出した...
吉川英治 「剣難女難」
...娘の千浪も名分が立つと申すもの……」と作左衛門の欣びは尽きなかった...
吉川英治 「剣難女難」
...お欣びください...
吉川英治 「新書太閤記」
...またその欣びの見えぬ信長を...
吉川英治 「新書太閤記」
...声までが癇走(かんばし)って欣びを告げるのだった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...最大な欣びであった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...石が欣びに泣いて濡れているように見えた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...お欣びあれ、勅使岡崎中納言範光卿(のりみつきょう)が御下向なされ、主人の年景が案内してただ今これへ見えられましょうぞ」そういって、雪を蹴立てながら、人々はすぐ麓(ふもと)へ引っ返して行った...
吉川英治 「親鸞」
...同時にわしの欣びは裏書された...
吉川英治 「茶漬三略」
...もっと謡(うた)えよ」月充(み)ち日足りて生産(しょうさん)の時いたれば業風(ごうふう)ふきて是(これ)を促(うなが)し骨節(ほねふし)ことごとく痛み苦しむ父も心身おののき懼(おそ)れ母と子とを憂念し諸親眷族(けんぞく)みな苦悩すすでに生れて草上に堕(お)つれば父母、欣び限りなく猶、貧女(ひんにょ)の如意珠(にょいじゅ)を得たるが如し初めはふざけていた彼らも、次第に意味が酌(く)めて来ると、聞くともなく聞き惚れていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...会って意外と欣び合ったほうが興があるから――と申されるのです...
吉川英治 「宮本武蔵」
...いつも欣びと希望にみちていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その欣びを昂(たかぶ)らせて...
吉川英治 「無宿人国記」
...老先生もさだめしお欣びだろう...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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