...二荒の山の裾野にあかねさす紫匂ふ花あやめかも櫻草の花によく似る紫の花めでつゝも名を知らずけり花あやめしみ咲きにほふ紫の花野を來れば物思もなし紫の雲ゐる野べに朝遊び夕遊びます二荒の神湯の滝を見...
伊藤左千夫 「滝見の旅」
...櫻花をへだてゝ谿の樹々はすでに思ひ/\の若葉をひろげ...
今井邦子 「伊那紀行」
...秋の櫻の木、紅(あか)い木よ、親切な木、わたしの悲しい心の悦(よろこび)...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...桃と櫻を兩手にもちて、どちが桃やら、櫻やら、右に鵬齋先生、左に蜀山人、天下の風流はわが一身に集まれりと、小さき鼻うごめかしけるが、蜀山人の書き殘したる一筆、※の字を何と讀むぞと、宿題をかけられて、はてな/\、二水に虫、玉篇にもなく、康起字典にもなし...
大町桂月 「牛經」
...世間に知れざる櫻の名所案内申さむ...
大町桂月 「小利根川の櫻」
...花のトンネルを行き盡して十字街に戻り、一店に就いて、『九年畑の外、櫻の多き處は』と問へば、『西の方五六町、根木名(ねこな)の廐に至れば、櫻多し』といふ...
大町桂月 「三里塚の櫻」
...一杯一杯また一杯、顏櫻花と映發す...
大町桂月 「新武藏野の櫻」
...隅田川の左岸、枕橋より鐘ヶ淵まで、凡そ一里の路、堤の兩側、みな櫻、これ向島也...
大町桂月 「春の郊外」
...都を跡に西國へ落ち給ひしさへ口惜(くちを)しきに、屋島の浦に明日(あす)にも亡びん一門の人々を振り捨てて、武士は櫻木、散りての後の名をも惜しみ給はで、妻子の愛にめゝしくも茲まで迷ひ來られし御心根(おんこゝろね)、哀れは深からぬにはあらねども、平家の嫡流として未練の譏(そし)りは末代(まつだい)までも逃(のが)れ給はじ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...私は蘆の湯からいつもの櫻のステッキを曳きながら一里ばかりの道を湖水の方に散歩して...
近松秋江 「箱根の山々」
...此櫻の苗をそれ/″\適當な場處に植ゑる爲めに患者の代表と一緒にあちこち歩きまわつて植ゑて行かれ夕方になつた時二本殘つたさうです...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...源一郎は櫻痴と號し...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...櫻屋の娘を殺したのが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...櫻の花がチラホラするのも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...顏をあげた櫻内は...
林芙美子 「就職」
...「おい櫻内! もういゝよ...
林芙美子 「就職」
...いざ惠林寺(ゑりんじ)の櫻見(さくらみ)にといふ人(ひと)はあるまじ...
一葉女史 「ゆく雲」
...櫻木町の驛(その頃の横濱驛)まで...
吉川英治 「折々の記」
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