...私は久しぶりで騒々しい都会の轢音(れきおん)から逃れて神経にふれるやうな何の物音もない穏やかな田舎の静寂を歓びながら長々と椽側近くに体をのばして...
伊藤野枝 「白痴の母」
...一体馬琴は史筆椽大(てんだい)を以て称されているが...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...辻堂(つじどう)の椽側(えんがわ)に腰を掛(かけ)て休息していると...
関根黙庵 「枯尾花」
...金椽の眼鏡を掛け...
太宰治 「校長三代」
...光の届かぬ椽(たるき)の下の一番奥の方に身を潜め...
橘外男 「雷嫌いの話」
......
コナンドイル 三上於莵吉訳 「入院患者」
...こんなものは器用だね」「どうせ藤尾さんのようには参りません――あらそんな椽側(えんがわ)へ煙草の灰を捨てるのは御廃(およ)しなさいよ...
夏目漱石 「虞美人草」
...三毛子は正月だから首輪の新しいのをして行儀よく椽側(えんがわ)に坐っている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...陰士はしばらく椽側(えんがわ)に立ったまま室内の動静をうかがっていたが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...詫(わ)び入るのを無理に引っ張って椽側(えんがわ)の前まで連れて来た...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...椽側の日向(ひなた)に座布團を持出して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ついと立つて椽がはへ出るに...
樋口一葉 「にごりえ」
...それでも椽側の二間前は往来道に違ひなかつた...
牧野信一 「鏡地獄」
...夢のやうに椽側に出て猫のやうに凝ツとしてゐた...
牧野信一 「毒気」
...椽(のき)の端にあり...
正岡子規 「雲の日記」
...椽側に赤い緒の足駄と蛇の目が立てかけてあるのを見つけた...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...それだけだが家の椽(えん)には彼が刻んだ素晴らしい角型の火鉢が無造作に使われているではないか...
柳宗悦 「全羅紀行」
...また椽先(えんさき)などへ入って来るのには...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
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