...汗にぬれた赤ひげと切り裂かれた樺桜(かばざくら)の直垂(ひたたれ)とを...
芥川龍之介 「偸盗」
...注意深い眼を見張って桜の幹に片手をかけつつ...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...五月といへば、此処(ここ)北海の浦々でさへ、日は暖かに、風も柔らいで、降る雨は春の雨、濡れて喜ぶ燕の歌は聞えずとも、梅桃桜ひと時に、花を被(かづ)かぬ枝もなく、家に居る人も、晴衣して花の下(もと)ゆく子も、おしなべて老も若きも、花の香に酔ひ、人の香に酔ひ、酔心地おぼえぬは無いといふ、天が下の楽しい月と相場が定ツて居るのに、さりとは恁(か)うした日もあるものかと、怪まれる許りな此荒磯の寂寞を、寄せては寄する白浪の、魂の台までも揺がしさうな響きのみが、絶間もなく破ツて居る...
石川啄木 「漂泊」
...桜ン坊も見当らない...
海野十三 「地獄街道」
...君が早苗さんと信じ切っていたあの娘はね、桜山葉子という、親も身寄りもない孤児なんだよ...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...桜貝波にものいひ拾ひ居る朧夜(おぼろよ)や男女行きかひ/\て三月二十四日 丸之内倶楽部俳句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...七月十七日金虚子先生○明治四十年八月五日(同上)(封書)一昨日御話をした「糸桜」という小説はいそがぬから私に見てくれといいますからあなたへは送りません...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...吉野山の桜花の見事さを書き送り...
太宰治 「新釈諸国噺」
...桜もちらほら咲いてゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...農家の垣には梨の花と八重桜...
田山花袋 「田舎教師」
...日和山の桜の梢(こずえ)にも蕾(つぼみ)らしいものが芽を吹き...
徳田秋声 「縮図」
...数株の桜の台木が...
豊島与志雄 「花ふぶき」
...その子孫はないとは申されぬが」桜庭兵介は問わるるままに藩の歴史を語ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...桜島が、あまり大きく窓に拡がつてゐるせゐか、部屋のなかに、桜島がたふれかゝつて来るやうな圧迫を感じた...
林芙美子 「浮雲」
...こちらに三四本と八分通りの桜が見えました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...桜の歌花の中なる京をんな...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...七ヶ瀬に桜田三河守...
吉川英治 「私本太平記」
...また、それらの辻や溝の辺(ほとり)のものであろう、所々は、柳、桜に染められて、実(げ)にや、万葉の詞藻(しそう)を継いで、古今(こきん)の調べを詠み競う人たちの屋根は、ここにこそあるべきはず――と、ここに立つ旅人はみな一様に感じあうに違いない...
吉川英治 「平の将門」
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