...荒野の悪い野良犬や尖った茨(いばら)にその柔らかな布地(ぬのじ)は引き裂かれてしまった...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...……子供の柔らかな無垢な心...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...……とそのとき、彼が思いもかけなかったことには、気ぜわしげな足音とさらさらという衣ずれの音が聞えて、息はずませた女の声が囁やくように『まあやっとね!』と言ったかと思うと、二本の柔らかな、いい匂いのする、紛うかたなき女性の腕が、彼の頸へ巻きついて来て、彼の頬へあたたかい頬がひたりとばかり押しつけられたその途端に、接吻の音がちゅと響いた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...日が沈んでいく時柔らかな深い深い青色の東方に向って...
中井正一 「美学入門」
......
萩原朔太郎 「紫色の感情にて」
...それは厚ぼったい柔らかな皮...
牧野富太郎 「アケビ」
...蒲鉾(かまぼこ)様に円く豆腐ごとく白浄な柔らかなもの故...
南方熊楠 「十二支考」
...あとは柔らかな火山灰と火山礫(かざんれき)の層だ...
宮沢賢治 「グスコーブドリの伝記」
...中の君の上に柔らかな地質の美しい夜着を被(か)け...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そのもの柔らかな言葉や...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...黒木に映ずる柔らかな若葉の色がある...
柳田国男 「雪国の春」
...暗くしてある灯の光りで、寝衣の華やいだ色と、白くて柔らかな、こんもりした胸のふくらみとが、銕太郎の眼をとらえた...
山本周五郎 「薊」
...以前の物柔らかな...
夢野久作 「暗黒公使」
...「向うの部屋にさしている明りの色、柔らかな笑い声、乾分(こぶん)たちの足音や眼(まな)ざし、少しもそんな気ぶりがないわい...
吉川英治 「八寒道中」
...そうして柔らかな...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
...柔らかな衣の線の動き...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
...特に本尊阿弥陀のほのかに浮き出た柔らかな姿は...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...しかし柔らかな、円い、艶(つや)っぽい唄であれば、自分はいきなりその濃い雰囲気のなかへ引き入れられて行くように感ずる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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