...あるいはその手の指の先に(ニコティンは太い第二指の爪を何と云う黄色(きいろ)に染めていたであろう!)四(よ)つ折(おり)に折られた十円札が一枚...
芥川龍之介 「十円札」
...そして滅多に興奮しない彼が日頃にもなく顔を赤く染めて...
海野十三 「地球発狂事件」
...情熱のなくなったような冷たいその光が微赤(うすあか)く此方(こちら)の峰の一角を染めて...
田中貢太郎 「陳宝祠」
...明々(あかあか)と染めていた...
モリス・ルヴェル Level, Maurice 田中早苗訳 「誰?」
...・山をあるけば木の実ひらふともなく・水くんでくる草の実ついてくる森はまづいりくちの櫨を染め夜はしづかだつた...
種田山頭火 「其中日記」
...紅血染めし屍を洗ひて上に膏(あぶら)塗り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...そろそろ青葉の縁(ふち)を樺に染めかけた大きな樹(かしはのき)の間を縫うて...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...雪は小やみなく天地の間をかのこに染めて降りつづける...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...上流の山坡を染めて...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...血染めの柄には、小判型に「出羽屋」と焼印が捺(お)してあるんだ」「あッ、それは」驚いたのは久兵衛と伝右衛門でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...箪笥の上の血染めの短刀を取り上げると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...若いお銀が眉を落して歯を染めた元服姿なのに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何時ともなく三之助さんがお孃樣を見染め...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...珍しく赤く染めた竹の子がはいつてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...着物の類はいずれも型紙を用いて染めます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...血痕(けっこん)が雪を染めていた...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...赤味を帶んで紫に染めだされた颯爽たる峻峰を指して...
吉江喬松 「山岳美觀」
...それに遠く大紀山脈を染めている夕日の余映も...
吉川英治 「随筆 新平家」
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