...書簡紙には書く文字の邪魔にならぬ程度の淡色で、桜の花、花弁、松の葉、時としてはまとまった山水等が、ほのかに出してある...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...三三 行列虫『私達はよく松の枝の先きに、松の葉を混ぜた、白い絹のかさばつた袋を見る事がある...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...庭前の松の葉が一本々々数えられたとソムナンビュリストの夢のような事をいったりした...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...青い松の葉の一つづつがその風に動いた...
田中貢太郎 「あかんぼの首」
...たとえば「松の葉」の現われる位置がほとんど初五字かその次の七字の中かにきまっており...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...「火が、弱いじゃござんせんか」「いいえ、このお薬は、松の葉か、馬糞がよろしいので、ございますって...
直木三十五 「南国太平記」
...鈴木春信の可憐幽婉なる恋愛的画題は単純にして余情ある『松の葉』の章句あるひは「薗八(そのはち)」の曲節を連想せしむるものならずや...
永井荷風 「江戸芸術論」
...黄雲ながく尾を引きて、黄金の瀲湖に搖り、金線繁りぬ、玉松の葉...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...女隱居のお妻が首を吊つた枝の上には、二つ三つの太い枝があり、二階の窓の上のあたりには、松の葉隱れに、何やら鳥の巣があります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「へツ、違げえねえ、こちとらは借金があつて、仕事があつて、情婦(いろ)があつて、喧嘩氣がある」「それから先を話せ」「増田屋金兵衞、二た抱へはたつぷりあらうといふ名物月見の松の下に縁臺を据(す)ゑさせ、松の葉蔭から、ユラ/\と昇る月を眺め乍ら、チビチビと呑んだり、鹽豆を噛つたり、下手な發句(ほつく)を考へたり」「鹽豆は變な好みだな」「しみつ垂れだから、一人で呑むんだつて、酒の肴の贅(ぜい)は言はない、――尤も一代に何千兩といふ身上を拵へる人間は、蟲のせゐで刺身(さしみ)や蒲鉾(かまぼこ)は自腹を切つちや食はないんですね」「――」「御存じの通り、昨夜(ゆうべ)は良い月でしたね、あんな月を見ると、こちとらは袷(あはせ)位は曲げて呑み度くなるが、金兵衞は酒のお代りも言ひつけずに、下手な發句ばかり並べて喜んでゐる――、麻布名物の月見の松の下でね――」「それからどうしたんだ」平次は後を促しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...松の葉にさして根がけにした...
長谷川時雨 「大門通り界隈一束」
...真蒼い空に老松の葉が針のように光っていましたああ何と云う生きる事のむずかしさ食べる事のむずかしさ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...松の葉のしげみの下に...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...松の葉を早苗に見立て田植のわざをまねるのが通例であった...
柳田国男 「雪国の春」
...いちめんの幼い松の葉が幾重にも黒い雲をかさねたように輝き...
山川方夫 「その一年」
...松の葉を弄(まさぐ)っていた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...松の葉を降りこぼした...
吉川英治 「宮本武蔵」
...右のような松の葉が右のような松の枝に何千何万と並んでいて...
和辻哲郎 「松風の音」
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