...礎(いしずゑ)の朽ちた塔のやうに...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...朽ちた鳥居が灌木類と草とのこんがらかった内に立ち...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...幾年(いくとせ)の落葉の朽ちた土に心地よく下駄が沈んで...
石川啄木 「鳥影」
...合せ目も中透(なかす)いて、板も朽ちたり、人通りにはほろほろと崩(くず)れて落ちる...
泉鏡花 「海の使者」
...朽ちたる軒は蜘蛛(くも)の網(す)に張られて...
巌谷小波 「こがね丸」
...朽ちた細い芝草のごみが交(まざ)つてゐるのを取つてゐた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...何かのけだものの朽ちた大きな趾(あし)うらのように...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...雨に朽ちた腰掛けの上にすわってる婆さんなどがあちこちに見られた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...十年近い前に見た邸は、朽ちた板塀、剥げ取られた土塀、七戸前の土蔵の白壁は雨風に落ち、屋根には草が茂っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...朽ちた橋の下に女が野菜を洗つてゐるとか...
永井荷風 「畦道」
...電車は新富座に突きささりそうに朽ちた木橋を渡って行く...
林芙美子 「新版 放浪記」
...小さきもの、限られたもの、朽ちたるもの、ふるびたものも、古物的人間の保存し崇拜する魂がこれらの事物のうちへ移住し、そこに故郷の巣を作ることにより、それ自身の品位と不可侵性とを得て來る...
三木清 「歴史哲學」
...わたしは方々で崩れ朽ちた家々も見たし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...木の朽ちたような高廊下へあがった...
山本周五郎 「七日七夜」
...そこの朽ちた板縁の松落葉が...
吉川英治 「私本太平記」
...饐(す)え朽ちた欄干を越え...
吉川英治 「新・水滸伝」
...卜幽居(ぼくゆうきょ)とある朽ちた木額(もくがく)が眼につく...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...また稀に半ば折れたか朽ちたかした様な杉が一本だけぽっつりと落葉木の中に混って立っているのをも見た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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