...ところが末のお子さまの須佐之男命(すさのおのみこと)だけは...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...とある場末の貧しき往來に平行した下駄屋の店で夫は仕事場の木屑の中に坐り妻は赤子を抱いて座敷に通るあがりかまちに腰をかけ老いたる父は板の間に立ち凡ての人は運動を停止し同じ思ひに顏を曇らせ茫然として眼を見合して居るのをその顏に現はれた深い痛苦...
千家元麿 「自分は見た」
...行末の出世の程も頼母しく...
高山樗牛 「瀧口入道」
...山の手の場末の町であるから十時を打つて間もないのに...
田中貢太郎 「蟇の血」
...明治――年六月末の某夜(あるよ)...
田中貢太郎 「雀が森の怪異」
...清三は月末の来るのを待ちかねた...
田山花袋 「田舎教師」
...それをあの結末のところでひつくり返した形は...
田山録弥 「三月の創作」
...幕末のいわゆる志士がともすれば口にした場合の「大和魂」に幾らかの似よりがあるが...
津田左右吉 「日本精神について」
...こんな場末の町へまでも荒して歩くためには一体何千キロの毒薬...
寺田寅彦 「震災日記より」
...前日の夕方――(九月末の寂しい夕(ゆうべ)だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...わたくしは今まで行末のことなんか一度も考えたことがありませんから...
永井荷風 「ひかげの花」
...始末の惡い人間には違ひないが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...珈琲店 醉月坂を登らんとして渇きに耐へず蹌踉として醉月の扉(どあ)を開けば狼藉たる店の中より破れしレコードは鳴り響き場末の煤ぼけたる電氣の影に貧しき酒瓶の列を立てたり...
萩原朔太郎 「氷島」
...明日は場末のカフエーにでも住み込んで...
林芙美子 「新版 放浪記」
...主に十九世紀末の出版になる有名でない冒険物語や...
牧野信一 「裸虫抄」
...卷末の索引の如きは多年の實際的研究より案出したもので...
村越三千男 「大植物圖鑑」
...寛政の末の武鑑に目見医師の部に載せて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...私は深良一知(ふからいっち)です」暑い暑い七月の末の或る早朝であった...
夢野久作 「巡査辞職」
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