...朧(おぼろ)げながらも示したものである...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...それも宵ながら朦朧(もうろう)と閉っていて...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...車上の医師は春の朧夜(おぼろよ)...
井上円了 「おばけの正体」
...朧々(おぼろ/\)の物影のやをら浸み入り廣(ひろ)ごるに...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
......
種田山頭火 「其中日記」
...去年の五月からと言えば顔の記憶も朧(おぼ)ろになるくらいである...
近松秋江 「黒髪」
...正午から四時までまったく朦朧(もうろう)たる中間があった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...世は混乱の時といえ、さすが千有余年の王城の地には佳気があって、町の中には険呑(けんのん)な空気が立罩(たてこ)めて、ややもすれば嫉刀(ねたば)が走るのに、こうして、朧月夜に、鴨川の水の音を聞いて、勾配(こうばい)の寛(ゆる)やかな三条の大橋を前に、花に匂う華頂山、霞に迷う如意(にょい)ヶ岳(たけ)、祇園(ぎおん)から八坂(やさか)の塔の眠れるように、清水(きよみず)より大谷へ、烟(けむり)とも霧ともつかぬ柔らかな夜の水蒸気が、ふうわりと棚曳(たなび)いて、天上の美人が甘い眠りに落ちて行くような気持に、ひたひたと浸(つ)けられてゆく時は、骨もおのずから溶ける心地(ここち)がする...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分にはこの朦朧(もうろう)たるものを払い退(の)けるのが...
夏目漱石 「行人」
...ただ朦朧(もうろう)たる頭脳から好い加減に流れ出す言語と見れば差(さ)し支(つか)えない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...萬七の手から受取つた櫛をお町の朦朧(もうろう)たる醉眼の前へ持つて行きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...朧げなその額(ひたひ)には星の環をまき...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...何も彼も朦朧としてゐたのである...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...朧月の水面のやうな砂原を飛んで行く彼の後ろ姿が宙に踊つてゐた...
牧野信一 「まぼろし」
...殊更に朧夜の浅草新堀端で訣別させた...
正岡容 「寄席風流」
...又は朦朧と現われて来たものの姿と...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...すると、朧な中に、櫓音(ろおと)が聞え、つづいて、「旅のお方...
吉川英治 「私本太平記」
...朧(おぼろ)に二つの影にゆらいでいるだけだった...
吉川英治 「源頼朝」
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