...曠野を歩くと、まるで自分一人の世界にいるような感覚になる...
...この地域は人口が少なく、広大な曠野が広がっている...
...曠野に立って、青々と茂る草原を見下ろした...
...曠野を旅する人にとって、水や食料は命の糧である...
...夜には曠野に生息する動物たちの鳴き声が聞こえてくる...
...曠野にこうして、ただ立ちつくしているうちに、日がとっぷり暮れて、夜露にこごえて死ぬより他は無いのだろうかと思えば、涙の出ない慟哭(どうこく)で、両肩と胸が烈(はげ)しく浪打(なみう)ち、息も出来ない気持になるのだ...
太宰治 「斜陽」
...甚だしいソフィスチケーションの迂路(うろ)を経由して偶然の導くままに思わぬ効果に巡り会うことを目的にして盲捜りに不毛の曠野(こうや)を彷徨(ほうこう)しているような気がする...
寺田寅彦 「二科展院展急行瞥見記」
...廃墟と曠野とがある...
豊島与志雄 「新時代の「童話」」
...恐怖への豫感曠野に彷徨する狼のやうに...
萩原朔太郎 「宿命」
...しかし広大無辺の曠野には闃(げき)として声なく...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「沈黙」
...彼既に曠野の夜叉に食われた上は...
南方熊楠 「十二支考」
...溢れるような曠野の血が一方に流れて居り...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...はだら雪の人けもない曠野(こうや)を...
山本周五郎 「青べか物語」
...曠野で聲を張り上げた後のやうな爽快さを覺えた...
吉川英治 「折々の記」
...満目の曠野に露をきらめかせ...
吉川英治 「三国志」
...久しくこの曠野の陣後にあって...
吉川英治 「三国志」
...もし後方に敵が起ったらわが全軍はこの大寒の曠野(こうや)に自滅するほかはない」曹操は憂いていた...
吉川英治 「三国志」
...曠野(こうや)は急に寂寞(せきばく)の底へ...
吉川英治 「新書太閤記」
...いっそ、戦のあるまん中へ行って、本陣をたずねてゆけば、ものの分る人がいるであろう」――そこでかの女は、犬山城(いぬやまじょう)の白壁を目あてに、曠野の道を、ここまでは来たが、川原を歩いても、小舟はなし、木曾(きそ)の奔流(ほんりゅう)は、瀬や岩々に、白いしぶきを激(げき)し、いくら大胆なかの女でも、渡りも得ず、たださまよいつづけていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...射水(いみず)の曠野(こうや)を西へ西へ...
吉川英治 「新書太閤記」
...古典のもったような眼をかりて大きな人生の曠野や時の流れを観ること――また読者に観せることも――小説という仕事の上にあってよいし...
吉川英治 「随筆 新平家」
...それと、経明のさしずで、ここまで、火中から運び出した財宝の品々も、十数頭の馬に積んで、「一刻も早く」と、大結ノ牧の丘から、南の曠野へ、急がせた...
吉川英治 「平の将門」
...そこには柔かな草の葉が八月の日の光りを曠野いつぱいににほはせてゐた...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
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