...うす暗いので、はっきりわからないが、どうやら鼻紙嚢(ぶくろ)から鋏(はさみ)を出して、そのかき乱した鬢(びん)の毛を鋏んででもいるらしい...
芥川龍之介 「忠義」
...時々暗い雲の影が...
芥川龍之介 「葱」
...餘りの明るさに自分の身の暗さを感じ苦るしさが胸一杯に滿ちてくる時出しぬけに自分の足下に氣がつけばあゝ一生の思ひ出か遠い/\幼な時母に抱れて暖に浮世の波風を外にちんまり行儀に暖つて居た懷しい懷しい幸福が思ひ出され疲れ切つて暗い宿屋に辿りつけば他人の家も吾が家へ歸つたかのやうに生々感じ煤けたランプの下に暫らく會はない...
千家元麿 「自分は見た」
...二人は暗い中を庖厨(かって)の方へ往って其処から裏口へ出たが...
田中貢太郎 「餅を喫う」
...跣足(はだし)で暗い背戸へ飛び出す母親の袂(たもと)にくっついて走(か)け出した時には...
徳田秋声 「足迹」
...奥深そうな狭苦しい暗い路次であって...
豊島与志雄 「悪夢」
...暗い上に靄(もや)がかかっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...暗い中にたった一人立って首を傾(かたむ)けていた...
夏目漱石 「永日小品」
...暗い凸凹を平気に飛び越して行く...
夏目漱石 「坑夫」
...それから薄暗い未来の影にも相違なかった...
夏目漱石 「道草」
...私は暗い氣持に胸を抑へられながら...
南部修太郎 「霧の夜に」
...薄暗い明りの下ながら...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...暗いくもりを見せていた...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...さっき薄暗い控室にいたひともやがて来ました...
宮本百合子 「共産党公判を傍聴して」
...この暗い国に9905わたしを一人で置かないで下さい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...その鐘の音が薄暗い客堂の私達の目を覚した...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...秋のかぜの暗い空を...
吉川英治 「親鸞」
...川に沿って暗い道を急ぎに急いで行った...
吉川英治 「宮本武蔵」
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