...負傷せる蟻の――怜悧にして敏捷なる蟻の――あのもがきやうはどうだ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...向うの小暗い辻から隼のように敏捷な警官隊が現われてくるだろうと思われた...
海野十三 「深夜の市長」
...……本庁ではいま暁団を追いまわしているんだが、敏捷な奴で、団長の江戸昌をはじめ団員どもがすっかり何処かへ行ってしまった...
海野十三 「獏鸚」
...いかなピストルの威力も、敏捷な早業も、この肉の壁に向っては如何(いかん)ともすることは出来ない...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...動作がリスの様に敏捷な外は...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...どうしてあんな敏捷な魚をとって食えるか...
太宰治 「黄村先生言行録」
...其処を私は郵便脚夫をしてゐる敏捷な少年と路伴(みちづ)れになつて越えて行つた...
田山録弥 「春雨にぬれた旅」
...随分敏捷な女どもには違いないが...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...二輪馬車から敏捷な容子で下り立った...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...その身体(からだ)のこなしの敏捷なことは驚くべしであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...悪戯(いたずら)にしてもあまりに敏捷な悪戯でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...敏捷な赤蠅はけはいを覗って飛び去るので容易に捕ることが出来ない...
長塚節 「太十と其犬」
...斬られてしまえ」身体が敏捷なのと...
火野葦平 「花と龍」
...軍事的行動の間に要求される広汎で敏捷な文化活動の任務をテキパキ処理して行く程ふだんから赤軍の兵士たちの生活に親しく接しているかどうかという問題になると...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...その羅ものの底から、体のうら若い、敏捷な態度が、隠顕出没して、秘密げに解け流れる裸形(らけい)になつて見えるやうである...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...「……きっと、まっ黒けになっちゃう」やがて、女は独りごとのようにいうと、敏捷な手つきで、白い手巾(ハンカチ)を前髪の上にひろげた...
山川方夫 「昼の花火」
...猿(ましら)のように敏捷な蜀兵に追われ...
吉川英治 「三国志」
...敏捷な物がたがいに追いまわし...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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